2014年プレミアムカードを徹底予測!(2)/岩田昭男
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前回は大衆派カードから発した還元率競争が、ついにブランド力の高いカードにまで波及していることを紹介した。今回はプレミアムカードのもう一つの流れについて予測したい。
●サービスの質で勝負する!●
還元率競争はさておき、その一方、“サービスの中身で勝負”する大手クレジットカード会社も増えていくと予測される。というのも、大手クレジットカード会社のカードの還元率はほとんど0.5%程度。それでも大手クレジットカード会社が発行するカードのほうが圧倒的な発行枚数を誇っているのだ。つまり、それだけ“還元率”を気にせず、大手のカードをつくる人が多いということ。言い換えれば、企業側は還元率を“深追い”しなくとも、サービス次第でさらなる会員を獲得することが可能とも言えるのだ。
そもそも還元率競争は、カード発行会社が徹底的にコストを削ってやっている。体力勝負のレッド・オーシャンに参入するより、質の高いサービスで勝負する方がありがたいに違いない。
特にここ最近、カード会社は精緻な市場調査を重ねている。年齢、性別、職業、年収、生活スタイルなど、いろんな角度から利用者像を的確にとらえ、そこに向けての独自のサービス作りに、躍起になっているようだ。
今まで大衆向けの“お得な”カードは数多くあったが、ハイクラスな生活を望む利用者を満たすものはあまりなかった。そういう意味でも、ハイクラス層を狙った戦略は今後次々と展開されていくだろうし、いくべきであろう。
●“感動体験”を売るアメリカン・エキスプレス●
その急先鋒と言えるのが、アメリカン・エキスプレスが発行するカードだ。2013年春、ハイクラス層を取り込むために発行したのが、「アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・プレミア・カード(以下、スカイ・トラベラー・プレミア)」。さらに、2013年秋に登場した「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード(以下、SPGアメックス)」だ。
「スカイ・トラベラー・プレミア」は、2012年に発行された「アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード(以下、スカイ・トラベラー)」の上位にあたる券種だ。元々「スカイ・トラベラー」は年会費1万円+税で、対象航空会社(21社)での航空券の購入で購入代金の3倍のポイントがたまり、提携航空会社(13社)のマイルに自由に交換できる、“エアライン派”ご用達のカードだった。2013年に発行された「スカイ・トラベラー・プレミア」はその特長をさらに“進化”させたカードだ。
「スカイ・トラベラー・プレミア」の年会費は3万5,000円+税と「スカイ・トラベラー」の約3倍だが、対象航空会社(21社)で航空券を購入すると、「スカイ・トラベラー」よりも多い、購入代金の5倍のポイントがたまる特典がついている。ポイントには期限はなく、マイル利用者を中心に、かなりの人気が集まっている。
一方の「SPGアメックス」は、ウエスティンやシェラトンといった一流ホテルを世界に1,000件以上運営する「スターウッド・ホテル&リゾート」と「アメックス」が提携したカード。年会費は3万1,000円と高めだが、ホテル利用時のレイトチェックアウトや無料アップグレードなどが利用できるほか、毎年のカード更新時には無料宿泊特典までがもらえる。ちなみに、舞浜の「シェラトン・グランド・トーキョーベイ・ホテル」や東京・恵比寿の「ウェスティンホテル東京」の宿泊料金は、繁忙期なら3万5,000~5万円程度する。つまり、無料宿泊券だけで年会費のモトが取れてしまう計算だ。
しかも、「SPGアメックス」の会員になると、「スターウッド・ホテル&リゾート」のポイントプログラム「スターウッド プリファード ゲスト」の「ゴールド会員」資格が得られるので、系列のホテルに宿泊するとレイトチェックアウトなど、さまざまなサービスを無料で受けられる特典がある。
さらに、「SPGアメックス」でためたポイントは、提携航空会社31社のマイルに無期限で、自由に交換できる。とにかく、ホテルでも飛行機でも利用できる“旅行に強い”クレジットカードなのだ。
アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・プレミア・カード
スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード
⇒<予測2>高額年会費の高級志向のクレジットカードの「質の競争」が激化
●“高還元率&ハイクラス”のバランス型も!?●
高還元率とハイクラスのサービスの両方を兼ね備えた、バランス型のカードも登場している。前回紹介した「シティ プラチナカード」がこれにあたるだろう。年会費は3万5,000円+税で高めだが、還元率を大幅にアップさせると同時に、付帯サービスも拡充している。
今回のリニューアルで、“コンシェルジュサービス”や“国際線手荷物宅配サービス”が追加された。その結果、還元率とサービスの両面で、他のプラチナカードカードをしのぐスペックとなっている。
ためたポイントは商品券、H.I.S.海外ツアー代金、各種賞品へ交換できるほか、年会費に充当することも可能。年間利用額150万円以上で、実質、年会費が無料になる。
シティ プラチナカード
大手カード会社にとって、ブランド力にあぐらをかける時代は終わりを迎えている。「アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・プレミア・カード」や「SPGアメリカン・エキスプレス・カード」、さらに「シティ プラチナカード」などと同様、2014年には年会費3万円台の高級志向のクレジットカードは、実利型、サービス追求型、バランス型と、カードごとに明確な方向性が打ち出されるだろう。ハイクラスの利用者にとっては、ようやく自分のスタイルにあったカードを厳選できる時代が到来すると言える。
●2014年プレミアムカードを徹底予測!(1)/岩田昭男
※データは執筆時点のものであり、サービス内容は都度変更される可能性があります。最新情報につきましては、公式サイトにてお確かめください。
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