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2019年7月5日 O2O/スマホ

岩田昭男のキャッシュレス最新状況(3)「スマホ決済。いよいよコンビニに波及」

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スマホ決済。いよいよコンビニに波及。

「Paypay、LINEPay、楽天ペイなどのコード決済が20種類も出ているのでその中から何を選べば良いかわからない」と言う人が多いようだ。


確かに20種類もあればどれを選んでいいか迷うはず。しかし、その答えは意外に簡単です。ライフスタイルで選ぶべきなのだ。

買い物で使いたいのか、通勤で使いたいのか、旅行で使いたいのか、健康増進で使いたいのかなど。それには、よく行く店で利用できるコード決済を持つのがよいというのが正解だ。

セブンイレブンのセブンペイ!

7月1日はセブンイレブンとファミリーマートが、それぞれセブンペイとファミペイをスタートさせた記念すべき日なので、今回はコンビニで使うコード決済について考えてみたい。

まずは、コンビニの王者のセブンイレブンであるが、ここは以前からnanacoと言う電子マネーをうまく使っている。nanacoは、電子マネーには珍しくポイント優位の設計で、他社が0.5%の還元率のところを2倍の1%のポイントを付けて有利な展開をしていた。

今度出たセブンペイは、当然nanacoにない機能をたくさん搭載していると期待されている。

24時間営業と還元率の関係!

しかし、このところセブンイレブンは、24時間営業を嫌うオーナーたちが働く時間を自分たちで決めたいと言い出して窮地に立たされている。

折からの働き方改革もあって長時間労働が社会問題化したために、結局、経営陣はオーナー側の要求を飲むのだが、それに合わせるように、7月1日からnanacoのポイント還元率が1%から0.5%に減らされた。

これについては、「全体の売り上げが落ちると見た経営側が、ポイントの原資で補おうとしている」といった見方もあったが、それはちょっと考えすぎだろう。むしろセブンペイへの付け替えと見るべきだ。

セブンペイの還元率は最大1.5%!

セブンペイの還元率は基本0.5%であるが、7月、8月は0.5%をプラスして1%として、nanacoに代わる新たな主役に育てようとしているように見える(9月はそれに0.5%を加えて1.5%まであげる予定)。


さらにセブンイレブンにしては珍しくセブンペイの導入に合わせて、Paypay、LINEPay、メルペイ、それに中国のアリペイとWeChatpayの5ブランドの受け入れを発表した。ローソン、ファミリーマートがコード決済に寛容な姿勢を見せていたから、それに刺激されてのことだろうが、セブンイレブンがオープンな姿勢を見せるの はこれまでにないことだ(コード決済が認知されたということかもしれない)。

コード決済3ブランドが早くもキャンペーンで盛り上がる?

そして早速これらのコード決済陣営のうちPaypay、LINE Pay、メルペイの3社は7月11日から21日まで、セブンイレブンでの買い物で支払い金額の20%還元を行うと発表した。

これには当然セブンペイも続くと思っていたが、なぜかそのキャンペーンには参加せず、1%還元のままでおし通すようだ。これには驚いた。せっかくの会員獲得のチャンスをみすみす逃すことになるのである。

20%還元をやっている横で、同じものを買っても1%還元にしかならないのではセブンペイを持とうと言う気にならない。今からでもいいから20%還元を一緒にやるべきだと私は思う。

ただ、実際には、セブンにとっては、他のコード決済が勝手にやってくれてもそれで儲かるのだから、それで十分とみているのかもしれない。金持ち喧嘩せずか。

ファミリーマートの狙い。金融事業参入!

一方のファミリーマートは別の勢いがある。その大株主は伊藤忠商事である。


同社はこれまでも金融分野への進出を窺っていたがそのチャンスがなかった。

今回初めてファミペイという自らの決済手段を持ち、それを使ってTカード中心の現体制を一新して伊藤忠商事中心の体制を作り上げようとしている(「カードの日」と「ファミランク」など順次廃止)。

さらに有利なのは、昨年末の Paypay祭りに参加してコード決済の熱狂の中で貴重な経験をつんだことである。 Paypay以外では、ビックカメラと共にコード決済の中身が一番わかるプレイヤーと言えるだろう。

ファミリーマートは、祭りの顛末も全て見ていて、その成功と失敗、メリットデメリットも目の当たりにしてきた。それがこれから役に立つだろう。

「総額88億円あけまくっちゃうキャンペーン」!

まず、宣言しているのは今回のキャンペーンを「総額88億円あけまくっちゃうキャンペーン」と名付けている点だ。それに沿って様々な景品を用意して全体を盛り上げようとしている。

これなど、Paypayがやったことをなぞっている。また来年の2月までをキャンペーン期間としているが、長期に設定したのは単価の低いコンビニに考慮してなのか。

それからファミリーマートの特徴はクーポン戦略を打ち出していることだ。ファミチキや焼き鳥といった名物商品がただでもらえるクーポンをいろいろ出してくれる。これも目玉の1つだろう。

ポイントについては200円で1ポイントが貯まる。さらに7月いっぱいは買い物すると20%の還元してくれる。それだけでなくアプリにチャージをすると15%還元が受けられる。これも大きな目玉だ。

まとめ

24時間営業の問題とnanacoの改悪が重なり混乱気味のセブンペイと比べると自前の決済ツールを得た上にPaypay祭りの成功体験を生かして進撃を始めたファミペイ。

両者は対照的なスタートを切ったようにみえるが今後10月の消費税キャンペーンを控えてこれから戦いは熱を帯びてくるだろう。

中でもファミペイは言ってみればコンビニ版の Paypayと言えるから大いに期待したい。セブンは外から招いたコード決済事業者をうまく使って、儲けをあげようとしている。内部の問題が解決すれば徐々に体制を整えてくるだろうからそれほど心配はしていない。

消費者の立場に立って、セブンとファミマの2つのコンビニがあって掛け持ちで使うとどう使うのが良いかを考えてみよう。

まずセブンを使う場合はメルペイをお勧めしたい。7月11日から21日まではメルペイを使うと20%の還元を受けられる。

他の日はファミマで買い物をする。ファミペイアプリにチャージすると15%の還元を受けられる(7月いっぱい)。買い物しても7月は20%の還元を受けられる。これを繰り返せば還元金額はどんどん大きくなる。

またセブンでメルペイ+ IDを使うキャンペーンが始まれば、70%還元になるから大きなお得を取れる。キャンペーンの時期は限られているのでその時に集中して使うようにするのがうまいやり方だ。

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