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2017年8月10日 新着記事

海外でのクレカ利用で発生するコストの話

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海外旅行に行くと、クレジットカードで決済をする人が多くいます。現地の通貨に交換する必要もなく、万が一第三者に不正利用されたとしても損害額は補償されて安心です。クレジットカードは安心で便利だけど海外で発生するコストについてはあまり知らない、という人も少なくありません。

海外で利用するとどういったコストが発生するのか、ショッピング利用時、キャッシング利用時に分けてご紹介いたします。

<シーン1>ショッピング利用

海外でのショッピングやレストラン、ホテルでクレジット決済をすると、どういった流れを経て請求されるのでしょうか?

現地通貨建ての代金を日本のクレジットカードで支払う場合は、海外での事務処理コストとして利用代金に1.6%~2.0%を乗じた金額が加算されます。円への換算にはVisaインターナショナル、Mastercardインターナショナル、JCBなど、独自が設定する「交換レート」が適用されます。

■100米ドルの買い物で発生するコストの主な流れ

100米ドルの買い物をクレジット利用で決済

利用データが国際ブランドの決済センターに到着(数日かかります)

利用代金100米ドルに国際ブランドが適用する「交換レート」(※)と事務処理コスト(1.6%~2.0%)を加算したレートで日本円に換算

日本円で利用代金を請求

※決済センターに到着した日のレート

■「交換レート」
円に換算する際に適用される「交換レート」は、各国際ブランドが独自に設定しています。下の表は、国際ブランドが適用している「交換レート」と銀行が外国為替取引の基準としている「TTM」の比較です。

これを見ると、JCBのレートは国内銀行のTTMと酷似しています。

VisaとMastercardはJCBと時間差があるため、VisaとMastercardだけで比較してみます。Visaは8/5~8/7までのレートが同じ。Mastercardは8/4~8/6までのレートが同じです。おそらくこの3日間は市場が閉まる週末にあたったため変動がなかったと考えられます。(VisaとMastercardには反映時刻に差があります)
この期間の交換レートを比較するとVisaは111.06、110.94、110.85。Mastercardは110.86、110.88、110.75という動き。若干Mastercardの方が円保有者にとって有利なレートが適用されています。

<2017年 国際ブランドの交換レートとTTMの比較> 1USD当たり(単位:JPY)

Visa Master JCB TTM(※)
8/4(金) 110.84 110.86 110.11 110.00
8/5(土) 111.06 110.86
8/6(日) 111.06 110.86
8/7(月) 111.06 110.88 110.82 110.68
8/8(火) 110.94 110.75 110.79 110.75
8/9(水) 110.85 110.27 110.03  110.00
※三菱UFJ銀行の外国為替レートを参考

<国際ブランドが適用する交換レート>
Visa、Mastercard、JCBのレートを知りたい場合は、こちらから確認することができます。Visa、Mastercardは過去さかのぼって確認することができますが、JCBは当日レートのみ公式サイトで確認できます。また、アメリカン・エキスプレスは「銀行間レートを基に換算」、ダイナースクラブは「指定金融機関の為替相場を基準に換算」されますが、公式サイトには交換レートは表示されていません。

「Visa」の交換レート
「Mastercard」の交換レート
「JCB」の交換レート

また、適用される交換レートは、売上データが決済センターに到着した日のレートが採用されます。カードを利用した日のレートではありませんのでご注意ください。

■「事務処理コスト」
「事務処理コスト」は、海外利用に伴う為替処理などにかかる費用です。カードごとに異なりますが、おおよその目安として、JCBは1.6%、Visa 、MasterCardが1.63%、アメリカン ・ エキスプレスが2.0%、ダイナースクラブは1.3%です。

JCB 1.6%
Visa 、MasterCard 1.63%
ダイナースクラブ
カード
1.3%
アメリカン・
エキスプレス
2.0%
 

ここでは「交換レート」と「事務処理コスト」を分けて紹介いたしましたが、実際に送られてくる利用代金明細書の「換算レート」は、「交換レート」と「事務処理コスト」を合算したレートが記載されています。
payment001

また、海外ショッピングでも、現地通貨とともに、円建ての代金を表示しているショップもあります。しかし、ここで適用されている交換レートは、国際ブランドが採用したものではなく、あくまでも加盟店(ショップ)が独自で定めたレートです。現地通貨で支払ったほうが有利なケースも少なくありません。どんな状況でも有利な方法が選択できるよう、為替レートは常に頭に入れておくよう心がけましょう。


<シーン2>キャッシング利用

チップや少額決済の時など、海外で現金が必要となることもあります。クレジットカードを利用すれば、空港や駅など設置されているATMでキャッシングすることができます。また、提携金融機関の窓口でもカードとパスポートを提示して現地通貨を受け取ることができます。

■キャッシングの際にかかる費用
海外ATMでキャッシングした際にかかる費用は、「利息」と「ATM手数料」です。「事務処理コスト」はかかりません。「利息」はカードごとに設定されている融資利率を元に、利用日数に応じて日割り計算されます。融資利率は、だいたい年利15.0%~18.0%ぐらいでしょう。返済方法はカードによって異なりますが、支払い期日に一括返済するカードもあれば、支払い期日前でも返済できるカードもあります。出発前に、お手持ちのカードの海外キャッシング利用枠、どのような返済が可能なのか、確認しておくと役立ちます。

●利息:融資利率(年利)×利用日数(※2)÷365日(うるう年は366日)
●ATM手数料:108円~216円程度

海外での決済には常に為替変動リスクが伴います。相場を読むのは難しいことですが、海外での支払いではどんな手数料がかかるかを把握しておけば、シーンに応じて一番有利な方法を選ぶことができるでしょう。


更新日:2017年08月10日
(公開日:2013年11月05日)

※制作当時の内容に基づき掲載していますが、すべてを確約するものではありません。正確な情報はカード会社の公式サイトにてご確認ください

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