アメリカン・エキスプレスの会員限定イベント 。「世界遺産清水寺の夜間特別拝観」
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岩田昭男
清水寺は、いつも大勢の人で賑わう名刹ではありますが、2015年11月8日にアメリカン・エキスプレスが開催したイベントは、「世界遺産・清水寺の夜間特別拝観」。昼間のにぎわいから落ち着きを取り戻した夜間に「清水寺」を貸切り、カード会員限定で幻想的な風情を楽しもうという企画でした。
当日、清水寺の夜間特別拝観は17時から開始。「ご法話・落語+拝観」のプランは、森清範貫主の法話から始まりました。音羽山に湧いたきれいな水が霊験あらたかだったことから、1200年前に寺を建てお祀りしたこと。清らかな水にちなんで清水寺と命名されたことなど、約100名の参加者が貫主直々の法話をありがたく聞きました。
一方で清水寺は、落語や謡曲、歌舞伎に取り上げられていることでも知られているところ。そんな縁もあって、この日は上方落語の名作「はてなの茶碗」が上演されました。この舞台となるのは、連日多くの参拝客が列をなす「音羽の滝」の横にたたずむお茶屋です。
昔、その茶屋でお茶を飲んでいた有名な骨董屋が、茶碗をかざして首をかしげたことから誤解が生じ、なんの価値もない茶碗に千両もの値がついたという噺。演じるのは桂米團治。今年亡くなられた桂米朝の長男でもあり、父親から教わったこの演目をゆかりある清水寺で披露されました。
落語を聞いた後は、昼間とは全く違う顔を見せる夜の本堂へ。さらに本堂から張り出す清水の舞台へと移動しました。そこからはライトアップされた三重塔や西門の幻想的な光景、東山の山並み、そして眼下に広がる京都の街の灯が一望できます。舞台の袖から流れる弦楽三重奏の音色を聞きながら谷に下りていくと、さきほどの落語の舞台となった音羽の滝が現われます。滝の横の茶屋で温かいぜんざいをいただきながら、皆、主人公さながら茶碗を撫でて噺の情景を思い浮かべている様子。単に名刹を拝観するだけでなく、そこに流れるストーリーが加わったことで、体験はより深く胸に刻まれたようでした。
こういった体験を大切な人と共有できればより多くの感動と豊かな時間が得られる、そんなことを感じさせたイベントでもありました。
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