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2017年12月19日 プリペイド/デ ビットカード

日本初!2018年4月、イオン各店でキャッシュアウトが開始される

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2018年4月からイオン各店で、来店客がレジで銀行のキャッシュカードを使って現金が引き出せる“キャッシュアウト”と呼ばれるサービスが開始されます。これを利用すれば、店頭レジで買い物と同時に現金の受け取りが可能になります。商品の支払代金と引き出した現金は即時口座から引き落されます。日本ではイオンが初のケースとなる見込みです。

キャッシュアウトは欧米で広く利用されているサービスで、日本では特に高齢者やATMが少ない地域に住む人たちを中心とした普及が期待されています。新聞報道によると今後サービスを導入する店舗は4月に100店、18年中に約350店、その後は全ての店舗のレジで対応できるようにするとのことです。

キャッシュアウトはどのように利用するの?

キャッシュアウトの利用はいたって簡単です。レジでキャッシュカードを差し出し、買い物代金より多めの金額を指定して暗証番号を入力します。決済が完了すると商品と一緒に現金をその場で受け取ります。たとえば3,000円の買い物をしたついでに「5,000円のキャッシュアウトをお願いします」と申し出れば、レジで3,000円の商品と5,000円の現金が受け取れ、利用代金8,000円が即時口座から引き落とされます。イオンでのキャッシュアウトは1万円以下になる見込み。数千円といった少額の現金が必要なとき、急いでいるときに重宝するでしょう。

ほとんどのキャッシュカードで利用可能

キャッシュアウトで利用できるカードはJ-Debitに対応しているキャッシュカードです。ですが、ほとんどの銀行、信用金庫、信用組合が発行するキャッシュカードはそのまま使えます。注意点は三菱東京UFJ銀行のようにJ-Debitを利用する前に申し込みが必要なカードがあること。利用前に確かめておくことが大切です。

<J-Debitの事前手続き 一例>

●みずほ銀行…不要
●三井住友銀行…不要
●りそな銀行…不要

●三菱東京UFJ銀行…必要
●ゆうちょ銀行…必要

J-Debitと国際ブランドデビットは違う!

J-Debitのマークをみたことはあるけど、J-Debitが何かわからないという人も少なくないでしょう。J-Debitは、1999年に富士銀行(現・みずほ銀行)などが中心となってスタートしたデビットカード事業です。銀行のキャッシュカードにデビット機能を持たせ、国内のJ-Debit加盟店で利用できる決済サービスを提供しています。現在では日本のほとんどの金融機関が発行するキャッシュカードがJ-Debitに対応しています。

デビットカードと聞けばVisaデビット、JCBデビットを思い出す人も多いでしょう。どちらもデビットという呼称ですが、J-DebitはJ-Debitに対応するキャッシュカードをJ-Debit加盟店で利用します。国際ブランドのデビットは、VisaやJCBブランドの付いたデビットカードをVisaやJCB加盟店で利用します。J-Debitは国内でしか利用できませんが、国際ブランドのデビットは海外でも利用できます。ただし、国際ブランドのデビットは一部を除き銀行のキャッシュカードに搭載できないため、新たにカード発行が必要です。また年会費が必要なカードもあります。

なお、今回のイオンのキャッシュアウトサービスはJ-Debitのサービスなので国際ブランドのデビットでは利用できません。

キャッシュアウトのメリット

キャッシュアウトには多くのメリットがあります。キャッシュカードの情報を使って決済するため、手持ちのキャッシュカードが利用できること。新たにカードをつくる必要はありません。また、買い物ついでに現金を引き出せるので、ATMを探し回る必要もなく時間を有効に使えます。ATMで頻繁に現金を引き出すこともなくなるでしょう。さらに、人通りの多い駅周辺のATMでお金を引き出すのは不安、という人も店頭ならゆっくりとお金を財布にしまうことができ安心です。

キャッシュアウトの懸念点

気になるのは手数料です。まだアナウンスされていませんが、今回はイオン店舗での導入なのでイオン銀行は無料、他行は有料になる可能性も考えられます。これは今後のリリースを待つしかありません。また、キャッシュアウトのオペレーションが上手くいかないことも懸念材料の一つ。最近普及しているセルフレジもレジ担当者の指示がわかりづらいのか、利用者がまごつきレジ前に列ができてしまうという光景を目にします。便利であるはずのサービスが混雑を招くという事態は避けてほしいものです。

キャッシュアウトまとめ

私、ライター自身もアメリカのスーパーマーケットで何度もキャッシュアウトを利用したことがあります。スーパーの敷地内にATMが設置されていましたが、スーパーマーケットで真っ先にATMに向かうのも面倒に感じられ、買い物と一緒にレジで引き出すキャッシュアウトは重宝に感じました。人気の少ないATMで引き出すより、セキュリティの面でも安心できました。
日本では高齢者やATMの少ない地域に住む人たちの利用を期待しているようですが、仕事帰りにスーパーに立ち寄りタッチ&ゴーで家に帰るといった時間に余裕のない人、子どもと大きな荷物を抱えてATMに行くのが大変な人、ATMを操作しづらい人など多くの人たちに役立つサービスではないでしょうか。それだけに、キャッシュアウトの手数料は気になるところです。

ライター/MM


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