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2016年9月15日 ゴールドカード

日本とヨーロッパの“和と洋”が融合「セント レジス ホテル 大阪」

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キタとミナミの中間に位置するラグジュアリーホテル

スターウッド・ホテルズ&リゾート・ワールドワイドは世界中でたくさんのホテルを運営する大手ホテルチェーングループです。傘下のホテルは1300以上、ホテルブランドは全部で11あり、セントレジスはそのなかの最高級ブランドです。

ちなみに、セントレジス以外ではウエスティン、シェラトンなどが日本で比較的よく知られたブランドではないでしょうか。

セント レジス ホテル 大阪は、日本初のセントレジスブランドのホテルとして2010年10月にオープンしました。先日、スターウッドの2016年トラベルアワード授賞式が行われ、私も出席し宿泊してきました。そこで今回はそのご報告を少ししたいと思います。


セントレジスホテル大阪

セントレジスホテル大阪


大阪のど真ん中にできたニューヨークの宮殿

新幹線の新大阪で降りて駅からすぐタクシーに乗りました。セント レジス ホテル 大阪は、繁華街のミナミとビジネス街のキタの中間点にあたる大阪の旧市街地のど真ん中に立地しており、観光にもビジネスにもうってつけです。

タクシーの運転手に「ホテルまでどれくらいですか」と聞くと、15~20分とのこと。新御堂筋を走って市内に入りました。そこは商店街とオフィスビルが立ち並ぶ、大阪のエネルギーが集結しているような場所でした。

少しして白い幟が立っているのに気づきました。よく見ると「本願寺」と書いてあります。大阪の中心部に本願寺などあったのかと思ったのですが、まてよ、ひょっとしたら織田信長と熾烈な戦いを繰り広げた一向宗の石山本願寺かなどと考えたりもしました。

そういえばいま放映中のNHKの大河ドラマの舞台がまさにこのあたりのはずで豊臣と徳川の戦い「大坂夏の陣」が行われたのだ、とさまざまな連想が広がりました。

そんなことを考えているうちに本町にあるホテルの前に着きました。ホテルは27階建ての高層ビルですが、ホテルの客室として使われているのは17階からいちばん上の27階です。敷地自体はそれほど広くないようです。

びっくりしたのは、タクシーがホテルに着いた途端に4~5人のポーターがやってきててきぱきと荷物を運んでくれたことです。外資系の一流ホテルはこういうサービスが徹底しています。

それにしてもなぜスターウッドグループはここに高級ホテルを建てたのかそれが気になったのですが、大阪につくったのは日本人というよりアジアの人々を顧客ターゲットにしているからではないか。爆買いの中国人をはじめとするアジアの訪日観光客を受け入れるための拠点にしたいのではないかと私は思ったのです。

21階の部屋は眺望が抜群によい

それはともかく素晴らしいホテルであることは間違いありません。1階はホールに入るとサンゴか何かでできた不老不死の暗示するようなピカピカ光る木が置かれていて、幻想的な雰囲気を醸し出しています(あとで聞くと「梅の木を模したクリスタルのオブジェ」とのことでした)。

エントランス正面にある「梅の木を模したクリスタルのオブジェ」

エントランス正面にある「梅の木を模したクリスタルのオブジェ」



ボーイさんに招かれてエレベーターに乗り、12階のフロント・ロビーに降りると別世界が広がっています。まずインテリアが凝っています。セントレジスホテルはニューヨークのフィフスアベニューで最初にオープンしました。

ロビー

ロビー



ですから、ニューヨークの洗練された文化、粋といったものを大事にしています。シックでモダンとでもいったらいいのか、ニューヨーカーが好むつくりになっています。

大阪のセントレジスホテルも同様で、全体的なつくりは決して重厚ではないのですが、それでいて落ち着きを感じさせます。そんなわけで、「どことなくニューヨークの香りがするなあ」というのが第一印象でした。

フロントでチェックインして21階の部屋に入りました。かなり広い部屋で正面が大きな窓になっているので、見晴らしが非常にいい。まだ陽が沈んでいない時間だったので、東に広がる生駒山地がよく見えました。眼下には大阪の街並みが広がっています。

Grand Deluxe Premier

Grand Deluxe Premier


バトラーが宿泊客一人ひとりをおもてなし

このホテルの大きな特徴の一つは、バトラー(執事)が宿泊客に付くことです。専任のバトラーが宿泊中はあれこれと世話をしてくれます。部屋の入口の脇に専用のバトラーボックスがあって、たとえばクリーニングしてほしい衣類をそこに入れておくと、バトラーが持っていってくれるのです。
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部屋に入るとバトラーがタイミングよくウェルカム・ドリンクを持ってきてくれました。

その日は少し暑い日だったからでしょうか、冷たい抹茶のような飲み物に寒天状の和菓子が添えられていました。宿泊代は一般の部屋なら1泊6~7万円です。もちろん一般の感覚でいえばかなり高額です。でもこれから提供されるであろうさまざまサービス、体験を想像すると、わくわくしてきます。

特注の大壁画にオリジナルカクテル「ショーグン・マリー」

なぜスターウッドグループが世界一のホテルを大阪につくったのか、その理由をあらためて考えてみました。ホテルの中を歩いてみると、ゴージャスな西洋風のホテルでありながら、廊下やロビーなどあちこちに100号くらいの大きな日本画が飾られていることに気づきます。

Experiential/Discovery

Experiential/Discovery



最初はこんなふうに思っていました。
安土桃山時代に太閤秀吉が好んだ金箔をふんだんに使ったきらびやかな絵画です。中には水墨画のようなものもあってアクセントになっているが、基本は豪華絢爛で、このホテル全体のヨーロッパの宮殿的なイメージと日本の宮殿美術のような絵画がうまく調和している。さすがはスターウッドだ、と。

ディナーのあとにロビーと同じフロアにあるバー・ラウンジに行くと、そこには大坂の街並みを描いた大きな絵が飾ってありました。大坂城があって赤と白の戦う戦国武将の姿も見えます。

おそらく「大坂夏の陣」を描いたものではないでしょうか。誰が描いたのかはわからないのですが、全体に金箔の雲が重なっているところなどホテルの雰囲気にとてもよくマッチしています。狩野派の名人が描いた絵に違いありません。

夕暮れのセントレジス・バー

夕暮れのセントレジス・バー



そう思ったので、私はバーテンダーに「いい絵ですね」と声をかけました。
すると、彼は満足そうににっこり笑い、続けて、「通天閣もあるんですよ」と言いました。それを聞いて、私は顔をあげました。

窓の外に通天閣が見えるのかと思ったからですが、当然そこはバーの中ですから四方は壁に囲まれていて窓などありません。

「ハハハ、こっちですよ」とバーテンダーは「大坂夏の陣」の絵の中を指差しました。よく見ると右下の方に確かに通天閣があるのです。白い絵の具で鉛筆のような小ぶりの塔が描いてありました。金箔の雲を突き抜けて立っています。また、左の中央あたりには何とセント レジス ホテル 大阪が描かれていました。

大阪の息吹が溢れるダイナミックな絵画

それでやっとこの絵が最近描かれたものだと分かったのです。この絵は、安土桃山時代をモチーフにしながら、現代の大阪を描いたものだったのです。「そうなんです。このホテルの絵はすべて日本の若手アーティストたちに依頼して描いてもらいました」とバーテンダーは自慢そうに言いました。

歴史的な価値がないのが少し残念でしたが、私はもうこの絵に惚れ込んでいましたから、誰が描いたかなんてどうでもよくなっていました。

この絵は、安土桃山時代を模倣しながらも通天閣やホテルを無造作に放り込むことで、台頭する大坂商人の活力を存分に引き出しているのです。現代人が描いた作品だからこそ同時代の生命力が画面いっぱいに躍動していて、それが太閤秀吉の現世主義とうまく繋がっているように思えました。

このダイナミズムがセント レジス ホテル 大阪のニューヨーク風のインテリアと妙にあって独特のハーモニーを醸し出しているのでした。「うん。これが和洋折衷の新しいカタチか、セントレジスの答えか」私は絵を見ながら何度も頷いていました。

セントレジス・バーの正面に飾られた「大坂夏の陣」を描いた日本画。 作品名「TOUGEN」アーティスト名鴻崎正武(Masatake Kosaki)

セントレジス・バーの正面に飾られた「大坂夏の陣」を描いた日本画。
作品名「TOUGEN」アーティスト名鴻崎正武(Masatake Kosaki)



あとで調べてみると、バーにあった大きな絵は福島の若い絵描きさん(鴻崎正武)に特注してつくったものだそうです。この絵の他にも力作はたくさんあります。絵を観に行くだけでも十分価値があります。それほど、みんなユニークで楽しい絵です。

「ショーグン・マリー」は柚子、わさび、醤油を使ったブラッディマリー

バーで出されるカクテル・ブラッディマリーにも触れないわけにはいきません。世界に約四十カ所あるセントレジスホテルのバーでは、それぞれの土地柄に合った固有のブラッディマリーを提供しているそうです。

大阪では柚子、わさび、醤油などの香味を高級ウォッカとブレンドしたブラッディマリーが「ショーグン・マリー」の名前で供され、好評を博しているのです。

バーテンダーに話を聞いてみると、「ショーグン・マリー」だけではなく世界中のセントレジスホテルで出している約四十種類のブラッディマリーをつくれるとのことでした。

そんなわけで、ラグジュアリーホテルならではの設備やサービスを満喫しました。とくに安土桃山時代のイメージでバーの店内を統一し、それが見事に成功していることに感心しました。

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