共通ポイントで勝利するための7つ道具/岩田昭男
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共通ポイントがめざす姿は?
前回のコラムで、ローソンの「おさいふPonta」が共通ポイントの壁に穴を開ける、と或るニュースサイトで取り上げられていたことを述べました。(そして、私は異なった意見を持っているということも…。)
この記事は、見方を変えると共通ポイントの囲い込みの熾烈さをなんとか突き崩したいとあれこれ考え、穴を見つけようとしているようにも思えます。さらに、こうもいえます。共通ポイントの仕組み自体が複雑になり、咀嚼する間もなく新しい商品やサービスがつくられるので、その原点を見失ってしまった結果とも。
ここで今一度、共通ポイントのめざす姿とはどんなものなのかをしっかりと整理してみたいと思います。
共通ポイントの原点はO2O
まず、押さえておきたいのは、Tポイント、Ponta(ポンタ)、楽天の共通ポイントといわれるものがここまで成功した理由は、O2Oがあったからだということです。O2Oとはウェブ事業者が「リアルに出ていってもっと儲けたい」と考えて始めた戦略です。そして、ポイントカード事業者やクレジットカード会社といったリアルに生きる人たちを囲い込むために、自らのネットを差し出しながらつくったものが共通ポイントなのです。
その結果、ポイントカード事業者、クレジットカード会社、電子マネー事業者、携帯キャリア、コンビニを取り込むことに成功したのです。
この5つに、顧客の送客を行うために欠かせないCRMという装置、それにウェブ事業者自身を加えて、あわせて7つの道具立てが共通ポイントには必要なのです。
もう一度いえば、「ポイント」「クレジットカード」「電子マネー」「キャリア」「コンビニ」「CRM」そして「ウェブ」、この7つです。
7つの武器で競争に打ち勝つ!
いまはTポイント、Ponta、楽天、さらにドコモを加えた4つのグループが、共通ポイントでしのぎを削っている状態です。将来的には、それぞれが7つの武器を持って戦おうとして、いまさまざまなかたちで動き出しているのです。
ローソンが「おさいふPonta」を出したのもその動きのひとつです。11月24日からは、リクルートのサービスを利用するとPontaのポイントが貯まるということにもなりました。それは何を意味するかというと、リクルートがポンタ陣営の中心的なウェブ事業者になったということです。
ヤフーがいままで出していたクレジットカードは、JCBの提携カードでしたが、JCBとの契約を解消して、新しく国内信販というカード会社を買収しました。それによってヤフーは、自分の自由になるカード会社を手に入れたのです。提供するポイントの倍率を自由に変更できます。さっそくその効果が表れており、『LOHACO』などが人気になっています。
ファミリーマートでソフトバンクカードを使うと3倍のTポイントがつくという、「サンバイザー」というTVCMをご覧になった方も多いと思いますが、これなどもコンビニをしっかりと傘下につなぎとめておくための施策です。
楽天が現在迷走しているのは、楽天が拠点として期待していたサークルKサンクスをファミリーマートに取られてしまうからです。つまり、リアル拠点の喪失が大きなダメージになっているのです。
これらはいずれも、先ほどいった7つ道具の奪い合いだったり、補完するために起きている現象なのです。
これが第一ステージだとすると、この第一ステージでインフラがきっちり整備されたあとに第二ステージが始まるのです。
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