サンフランシスコ探訪(番外編)/岩田昭男スマホ決済のSquare。“次なる一手”
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Squareは米国、サンフランシスコ発のスタートアップ。だれでも簡単にクレジットカード決済が受け付けられるサービスを提供している。カード決済に必要なのは、モバイル端末と小型のSquareリーダー(読み取り装置)だけ、といたってシンプル。iPhone、iPadにあるイヤフォンジャックに白い四角形のSquareリーダーを差し込み、その読取口にICカードのチップ部分を差し込む、あるいは磁気カードをスワイプすると決済は完了する。
クレジットカード決済が安価で簡単に行えるようになったので、導入をためらっていた中小企業、個人事業主も大いにメリットを享受したに違いない。
さて、そのSquareが新しいサービスを開始したので紹介したい。
『Square Order』でさらに便利に、シンプルに
様々なイノベーションを創出するSquareの根幹にあるのが「make commerce easy(商業活動をもっと簡単に)」。この理念のもと、第一弾として開発されたのがSquare Wallet(スクエア・ウォレット)だ。お店側に名前を伝えれば、名前とお客さんの顔を認証して決済が完了する。やっかいなプロセスを省きスマートなやり取りを可能にした。さらにその後継サービスとして生み出されたのが2014年5月12日にリリースされた『Square Order(スクエア・オーダー)』。入店前に商品のオーダーから決済までをワンストップで完了させることができるサービスだ。
買い手は待ち時間もなくカフェや食料品店でテイクアウトの受け取りができ、売り手は多忙な人の消費需要を取り込み“売り上げアップ”を望むことができる。利用する前に“専用アプリをダウンロードして必要事項を登録するだけ”でこのサービスは利用可能だ。
現在『Square Order』の利用エリアはサンフランシスコとニューヨークに限定されているが、日本での展開にも期待が寄せられるところだ。
『Square Order』との親和性が高い会社を買収!?
さらにSquare は、2014年8月4日に『Caviar』(米国サンフランシスコ)の買収に乗り出した。『Caviar』は、食事の宅配サービスを行っている会社で、レストランの食事を利用者宅まで届けてくれる。宅配サービスを行えなかったレストランも、『Caviar』を利用すれば簡単に食事を届けることができる。お客さんにとっても、人気店の食事を自宅でゆっくり味わうことができるメリットがある。今後、『Square』に『Caviar』のサービスが加わると、注文と同時に決済までもが完了。レストランに行くことなく、お金を出すこともなく、すべての煩わしさから解放されて食事を楽しむことが可能になる。
現在『Caviar』はボストン、シカゴ、ニューヨーク、シアトル、ロサンゼルス、ワシントンD.C.など米国主要都市で事業を拡大中。いずれ日本に上陸すれば、多くのレストランや喫茶店のビジネスチャンスは広がると考えられる。
どれだけおいしい料理を提供しても、店が小さかったり、不便だったり、人手不足だったり…、とみすみすビジネスチャンスを逃しているお店は少なくない。Squareの仕組みを使えば簡単に宅配システムを利用できるので店の規模や条件に左右されることなく、販路を拡大することは可能だ。
Squareが理念とする「make commerce easy」は、あらゆる規模の事業主に大企業並みのビジネスチャンスを与えてくれるものと思う。今後日本でどのような進化を遂げるかとても興味深い。特に、潜在能力はあるがチャンスに恵まれない日本の中小企業やローカルビジネスが、これによってどんどん活性化されることを期待したい。
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