ドコモの共通ポイント「dポイント」はどこがお得なの?
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岩田昭男
TVCMが話題のdポイント
今回は、ドコモがこれまでのドコモポイント代えて昨年の12月1日からスタートさせたdポイントについてお話しましょう。dポイントについてはドコモがテレビのCMや電車内のビジョン広告(ドアの上にあるモニターに映し出される動画広告)で大々的に宣伝しているので、ご覧になった方も多いと思います。女性タレント(中条あやみ)と鳥(ポインコ)のかけあいが楽しく、「dポイント、ローソンで貯まる。Have a nice day!」「dポイントならローソンで3%オフ!」「マクドナルドで3%オフ!」などのフレーズが印象的なCMが話題になっています。
このCMだけでは、ローソンやマクドナルドで使うとおトクなんだなとわかっても、dポイントがどういうものなのかいまひとつよくわからないという方がいるかもしれません。dポイントは、それまでのドコモポイントを新しくしたもので、ポイントを貯めるdポイントカードは、全国のドコモショップやローソンで無料で手に入れることができます。これまでドコモポイントは使い道が機種変更のときくらいで、貯まった先から失効していくといってもいいような悲惨な状況でした。それが、これからは非常に使い勝手のいいポイントに生まれ変わったのです。
ローソン、マックで買い物をすると最大5%おトク
まず、ローソンやマクドナルドといったリアル店舗で買い物をするとポイントが貯まったり、貯まったポイントを使えるようになりました。還元率は100円につき1ポイントの1%ですが、ローソンでdポイントを使って買い物をすると3%の割引となり、マクドナルドを利用してもすべての商品が3%の割引となります(マックのキャンペーンは6月30日まで)。それから、携帯料金の支払いでポイントが貯まり、貯まったポイントを支払いに充てることもできるようになっています。また、ソニーストアやDHCのネットショップを利用しても同様のサービスが受けられます。しかも、クレジット機能の付いたdカードを使えばなんと最大5%の割引となります。3%の割引に加えて、iD決済で1%、クレジットカード決済でさらに1%のポイントがつき、実質で5%もおトクになるのです。
このdカードとは、これまでDCMXカードといわれていたドコモのクレジットカードが新しくなったものです。ポイント(dポイント)と電子マネー(iD)とクレジットカード(dカード)の3つの機能が備わっていることから、三位一体カードと呼ばれています。この3つが揃っていればポイントの取りこぼしがありませんから、dポイントを貯めるにはこのカードを持つのが近道なのです。
dカードゴールドなら10%還元も
ちなみにドコモには、dポイントクラブという会員ステージがあって、利用実績や契約年数に応じてレギュラー、ブロンズ、シルバー、ゴールドの4つのステージがあり、上位ステージになればなるほど、おトクな特典を得られます。各ステージにはさまざまな特典がありますが、その一つがポイント還元です。レギュラー、ブロンズ、シルバーのステージでは、dポイントが1000円につき10ポイント還元(1%)されますが、ゴールドステージになると、1000円につき100ポイント還元(10%)されるのでおトクです。さらに、dカードにはdカードゴールドという最上級カードがあり、このカードに入会するとその時点で会員ステージのゴールドの資格を得られて、還元率の優待を受けられます。つまり、そのカードで、携帯料金やドコモ光の料金を支払うと、支払額の10%がdポイントに還元されます。1000円の支払額に対してdポイントが100ポイントつくのです。
dカードゴールドをもてば、その時点ですぐにゴールドステージの資格をもらえるので、これは見逃せません。15年以上の会員歴を持つ必要もありませんし、買い物で1万ポイントを貯める苦労も必要ありません。入会と同時に10%優待を受けられるのですから、ドコモ履歴の短い20代~30代の人にとっても魅力的でしょう。
レギュラー ブロンズ シルバー ゴールド dポイント獲得数
(6ヶ月間)600P未満 600P以上 3000P以上 10000P以上 ドコモ継続利用期間優遇 – 10年以上 15年以上 – クレジットカード契約優遇 – dカード – dカード GOLD
※dポイントクラブは2018年5月にリニューアル予定です。上記は2018年4月までのプログラム内容となります。2018年5月からは、以下のようにカード保有に関係なく継続利用期間および、dポイント獲得数によってステージが決定されます。両方のステージ判定基準を満たした場合、どちらか上位のステージが適用されます。くわしくはこちら
ただ、dポイントも利点ばかりではありません。先程、dポイントはドコモポイントから生まれ変わった「非常に使い勝手のいいポイント」と書きました。しかし、dポイントの使える場所はどうでしょうか。ローソンとマクドナルド、それにドコモショップなどで使えますが、マクドナルドはまだ東京都内の限定店が対象ですし、実際に使える店はまだローソンだけというのが実態です。厳しくいえば、共通ポイントといいながらいささか道具立てが足りないというのが正直なところです。
一方、ライバルのTポイントやポンタポイントは、それぞれ日本有数のチェーン店を抱えて、万単位の加盟店をもっており、その数を競い合っています。それに比べればドコモのdポイントの加盟店は比較にならない数でしょう。dポイントの弱みはまさにここにあります。使える店が圧倒的に少ないのです。ドコモは、それを見越して早々にポンタポイントとの提携を打ち出しました。ゲオ、昭和シェル、大戸屋、ケンタッキーフライドチキン、じゃらんなどポンタの加盟店には庶民向けの店やサービスがたくさんあります。ドコモとすると、これらの店やサービスをポイント交換だけで自由に使えるようにしようと考えたのです。そのために、ドコモはポイント交換の比率を1対1にまで引き下げて使いやすくしたのです。
ポイント交換の手間がネックに
ところが、実際のところは思うようにはいっていないようです。ポイント交換だけで、ポンタのサービスをそのまま利用できるといっても、手続きは面倒くさく手間がかかりハードルが高いのです。ですから、多くの人が「dポイントは使えない」という印象をもち始めています。
業界内でも、巨人ドコモの参入には批判的な意見があります。共通ポイントは一業種一社といわれてきましたが、後発のドコモとしてはポンタの拠点のローソンと提携したように多少強引にでもそこに割り込んでいかなければなりません。これに対して、同業他社からは、「ルール違反だ」という声もあがっています。業界の秩序を乱す行為だというのです。
このようにdポイントは、あちこちから叩かれて大変な状況にありますが、それでも、それと同じくらい評価する声があるのも事実です。何といってもドコモの会員数は約7000万人もいますし、その多くが優良顧客だからです。携帯電話が誕生して以来、一貫してドコモの機種を使い続けている人が多く、年収も高く資産ももっています。こうした人たちが、これまで失効するに任せていたポイントに着目してそれを活用しようとしています。この変化、この潜在能力を多くの人が注目しているのです。
ですから、私はdポイントとポンタポイントが等価で交換できると聞いた時には、「そんなバカな」と叫んだものです。等価なんてとんでもない。実際はドコモの方が4倍も5倍も価値があるとみていたからです。
私ならドコモ1に対して、ポンタ5を要求したことでしょう。また、ポンタポイントをたくさんもっているなら、いまのうちにdポイントに変えておくというのがひとつの選択かもしれません。
富裕層をターゲットにした共通ポイントをめざせ
そう考えていくと、ドコモの庶民派路線は、本来の路線とはミスマッチがあるような気がします。つまり、ポンタ加盟店のような庶民的な店と仲良くするのもよいのですが、ドコモなら、もっと富裕層相手の企業や店と提携した方が成功する確率が高いように思います。
その意味で、提携を始めるタカシマヤとの取り組みは、新しい方向性を示すケーススタディになるといえるでしょう。タカシマヤやJALのような店をつなぐのがもっともドコモらしい戦略ではないでしょうか。そういった期待をもっている人は少なくありません。
将来はTポイントやポンタポイントといった庶民派のポイントと連携しながら、富裕層の企業をつなぐターミナルになり、実力を発揮するのがドコモの生き方でしょう。そうした利用ができれば、共通ポイントの楽しさももっと広がっていくことでしょう。あえて、お金持ちを主なターゲットとする共通ポイントもあってよいのではないでしょうか。Tポイント、ポンタポイント、楽天スーパーポイントのユーザーのみなが最後にはdポイントに変えたいと憧れるような共通ポイントになってほしいですね。多くのユーザーがドコモの持つポテンシャルに期待しているので、頑張ってほしいと思います。
岩田昭男
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