スマホで買い物が変わる (1)/岩田昭男
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スマートフォンの浸透とともに、買い物の光景が変わりつつあると言われる。消費者の行動にどのような変化をもたらしたのか、それを調べてみた。
■スマートフォンの勢いが止まらない!
スマートフォンの伸びが止まるところを知らない。米IDCが2012年12月に公表した市場推計によると、2012年の携帯電話の世界出荷台数は前年比1・4%増の約17億台にとどまり、過去3年間で最も低い成長率になった。一方でスマートフォンの出荷台数は前年比45・1%増の7億1750万台と、高成長が続くと予測している。携帯電話市場に占める割合も2014年にはフィーチャーフォンを逆転するといわれ、この勢いは当分止まりそうもない。
スマートフォンは従来の携帯電話とは異なり、小さいながらも立派なパソコンである。外出して持ち歩いている間も常にインターネットの接続ができる全く新しいメディアだ。しかも、インターネット経由などで配布されるアプリによって「自分のほしい機能」を追加し、カスタマイズすることができる。
■ 買い物の光景を変える“スマホの機能”
このスマートフォンは、私たちの生活スタイルを大きく変える影響力のある機器である。たとえば、ハンバーガーチェーンのマクドナルドでは事前に会員向けに、スマホを通じてクーポン・メニューを配布しておき、来店前に好みのメニューを選択するように仕向けた。これが女子中高生に好評で一時的に売り上げ増につながったといわれるのだが、注目したいのはこのマーケティングで利用者の消費スタイルが変わったことだ。利用者は店で商品を選ぶのではなく、家で選んでから店に出向き、読取機にタッチして割引で購入するようになった。
また、スマホの価格比較サイトが果たす役割も大きい。テレビやパソコンを買いたいとき、かつては一番安い店を探すのに電気街を一軒一軒回ったものだが、いまでは比較サイトで一番安い店を探してから行くようになった。
さらに、GPS機能によってデートの仕方も変わった。以前は彼女と食事をするレストランを事前に決めておいたものだが、今は現地で落ち合ってからでも何とかなる。どの店でクーポンが使えるのか、どんなキャンペーンをやっているのか、GPS機能を使えば簡単に探すことができる。スマ―トフォンを駆使すれば、デートの準備にかける時間を短縮することができる。
■スマホの登場で変化する消費者行動
このように、スマ―トフォンの登場により、これまでの消費生活が様変わりし始めている。とくに無料アプリやクーポン、ポイント、ギフトカード、電子マネーといった様々な電子サービスが登場し、またスマホに内蔵されているために、それらを使うことで全く新しい快適な新しい消費スタイルを体験できる。なかでも、GPS機能、ツイッター、クーポン、この3つの利用頻度は無意識のうちにもかなり高くなっている。
スマホが登場する前とスマホが登場した後で、消費者の行動がどのように変化したかを比較してみた。それが次の図である。
■おまけだらけの時代に突入
スマホ普及前は、自分の五感の実感を大切にしていることが分かる。実際に店に出向いて雰囲気を知り、手に触って商品を吟味する。クーポンも印刷して店にもっていくという手間をかけている。このプロセスで店の立地を改めて知ったることもある。また、次に買い物に行く場合も、店員の対応や店の雰囲気など五感を頼りにリピーターになるかどうかの判断が下される。
それに対して、スマホ普及後になると、インターネットとGPSとポイントとクーポンの重ね取りのオンパレードだ。つまり、ひとつひとつの行動がほとんどすべて販売促進と結びついている。そして、次回に来るかどうかは、その店の印象ではなく、還元率の高さや比較サイトでの評価、ツイッターでの評判、クチコミなどが中心となる。
このようなに大変な時代が来ようとしているのがよく分かる。何でもかでも「おまけ」だらけの時代になりつつあるのだ。
消費者にとっては、こんな素敵な時代はない。一方で、店側にとっては、クーポンやポイントや割引と、競争を勝ち抜くために多くのおまけを提供しなければならない、大変に厳しい時代の到来となるだろう。とはいえ、ネットに精通したり、ポイントのカラクリに詳しくなったり、またはクレジットカードの仕組みを知りさえすれば、工夫次第で、少ない経費で、または経費をかけずに、絶大な効果をあげる方法を見つけることもできるのだ。重要なのは、時代の関心が大きく転換するということ。それをしっかり頭にたたき込むことだ。
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