サンフランシスコ探訪(1)/岩田昭男 ~米国CMにみるカード事情~
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スマホ決済の先駆者である「Square」(本社 : 米国カリフォルニア州)の取材をかねて久々のサンフランシスコを訪問した。3泊5日と少々タイトなスケジュールではあったが、クリスマスシーズン真っ只中のサンフランシスコ、取材だけでなく街の様子もいろいろと肌で感じた。その様子をルポしよう。
●サンフランシスコの旅行客は様変わり!?●
日本から約9時間のフライトを経て、ようやくサンフランシスコに到着。西海岸というと温暖なイメージもあるが、季節は冬なのでコートが手離せない。到着早々、ジェットラグを感じながらも、ホテルのあるフィナンシャル地区周辺から、さらに足を伸ばしてチャイナタウン、フィッシャーマンズワーフを散策することにした。
10年ぶりのサンフランシスコであったが、旅行客はすっかり様変わりしている。季節のせいかもしれないが、以前より日本人旅行客が少なく感じられたのだ。代わりに目を引いたのが中国人旅行客だ。
「実際のところどうなんだろう?」その後もなんとなく気になったので、ホテルに戻って旅行客に関するデータ(※1)を調べてみた。すると、アメリカを訪れた旅行客の数としては、アジアの中で日本が最多(3,698,073人)であったが、ことカリフォルニア州においては、アジアの中で一位だった日本は抜かれ、中国が最多(677,000人)になっていた。どうりで多くの中国人に出会うはずだ。時代の変化を感じずにはいられなかった。
●テレビCMは、カードのオンパレード●
旅行客の話はさておき、ホテルでくつろぎながらTVのスイッチを入れる。日本ではうんざり気味のCMではあるが、外国で見ると現地の生活ぶりが手に取るように分かって楽しいものだ。今はクリスマスシーズンということもあって、「クレジットカード」、「デビットカード」、「プリペイドカード」など、プラスチックカードのCMがこれでもかと流れている。
“ポイントアップ”、“キャッシュバック”、“Ficoスコア(個人の信用力を数値化したもの)の無料提供”など、訴求方法にも興味をそそられる。特にインパクトを感じたのは、やはりキャッシュバックだろう。おトクが分かりやすいという点で群を抜いていたように感じられた。
これらプラスチックカードの中で最も露出量が多く感じられたのが、デビットカードだ。ジェトロのレポート(※2)でも、米国内でのリテール取引の決済方法として、デビットカードが一位(決算高ベース)にあげられている。米国の当座口座の維持管理手数料は上昇傾向と伝えられているが、依然根強い人気があるようだ。
一方、決済手段としてはそれほど浸透していないものの、CMで頻繁に流れていたのがプリペイドカード。手数料が安く、銀行口座が不要、と誰でも簡単に利用できるため、一定の層から強い支持を得ているのだろう。
●ギフトカードは堅実志向!●
CMもそうだが、店先で際立っているのがギフトカードだ。 物を贈る習慣が根付くアメリカでの普及率を象徴するかのようだ。
ある調査(※3)によると、8割を超える消費者が“クリスマスシーズンにギフトカードを買うつもり”と回答している。とりわけ人気は、Walmart、Target、Amazon.comなど、リーズナブルに買い物ができるスーパーマーケットやECサイトのギフトカードだ。実利的に役立ててほしいという贈り手側の気持ちが色濃く反映されているのだろう。
ショートステイとはいえ米国はいろいろな刺激を与えてくれる国で興味は尽きない。次回はそろそろ本題に近づいて、米国発のユニークな決済サービスについて触れることにしたい。
※1 2012 U.S. Travel and Tourism Statistics (Inbound)/ITA, Office of Travel and Tourism Industries
※2 ニューヨークだより2012年1月「米国モバイルペイメント市場の行方」/和田恭(JETRO/IPA New York)
※3 http://www.giftcardgranny.com
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