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2016年6月6日 岩田昭男が探る

「いよいよ話すだけで書ける時代へ」
音声入力装置の人工知能が助けてくれる

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30年前からクレジットカードの研究をやっているが同じぐらい前から気になっているのが音声入力装置である。クレジットカード本の良いアイデアが浮かんだのにパソコンとキーボードが手元になかったばかりにアイデアを取り損ねてチャンスを逃したとか、たくさんの文章をかかねばならないのに何時間も同じ姿勢でキーボードを叩いていたので、疲れてやめたくなることはよくある。そんな時にマイクに向かって喋るだけでテキストがどんどん作れてしまう音声入力装置があったらどんなに便利だろうと思い続けてきた。

すでに10年以上前からドラゴンスピーチと言う音声入力ソフトが存在した。パソコンにインストールして、こちらはヘッドセットを付けて口元のマイクに話すというものだった。しかし、まだ使えるような代物ではなかった。正答率が50%ぐらいしかなかったからだ。半分はもう一度聞き直して編集し直さねばならなかった。それでは役に立たない。それがわかったときにはこれは生きている間には実現しないだろうと諦めたものである。

ところが評論家の野口悠紀雄氏が音声入力で書いたと言う「話すだけで書ける究極の文章法」(講談社)を出版して評判になった。それによるとスマートフォン(アンドロイドでもiPhoneでもよい)の中に入っている装置を使えば簡単に音声入力ができると言う。例えばiPhoneの場合はメモ帳を出して新規入力のページを開く。それから.文字盤の中のマイクの印をタップすると準備ができる。白い画面に向かって自分の言いたいことをしゃべればそれがそのまま活字となって現れるのだ。だいたい80%から90%の正答率で再現してくれる。さらに、喋り方をゆっくりにすればほぼ100%の正確さでテキスト文ができるのだから、これは便利である。

それをやってみて私はすぐにこれなら完璧に使えるぞと思った。友人にはよく「岩田さんは喋っていると面白いことをたくさん言うのに文章をいざ書くとなると堅苦しくなってつまらない」と言われたことがある。その時は何を馬鹿なこと言っているんだと思ったが、内心は図星だったので、嫌な気持ちになったものである。ところが.今度この音声入力装置を使って喋りながら文章を作ることができるようになると面白い小説だってたくさん書けるようになるかもしれない。このブログだって、より早く、より楽しいものになるだろう(労力は10分の1に減る)。そう思うと人生が2倍も3倍も明るく楽しくなったような気がしてきた。

岩田昭男



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上智大学グランドを下に見みる土手の上でiPhoneの音声入力装置で記す

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