燦然と輝く「ブラックカード」は年会費38.5万円!その豪華サービスとは?/岩田昭男
上級カード道場では、アフィリエイトプログラムを利用し広告収益を得て運営維持を行っています。よって記事中にPRリンクを含みます。 ただし、提携の有無が記事内容およびランキングに何ら影響を与えるものではありません。
更新日:2021年12月13日
最高峰は「アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード」
「ブラックカード」という券種が、クレジットカードの中にあるのをご存じでしょうか?
クレジットカードはランクごとに、以下の券種に分けることができます。
(1)一般カード
(2)ゴールドカード
(3)プラチナカード
基本的にはランクが上がるごとに、年会費が高くなって所有の条件も厳しくなり、ステータスも上がっていきます。ブラックカードはプラチナカードのさらに上、究極のステータスといわれるカードなのです。
ブラックカードについては明確な定義がなく、各カードの最上位の券種と説明されます。そのため、「ダイナースクラブ プレミアムカード」(年会費14万3000円)、「JCBザ・クラス」(年会費5万5000円)などもブラックカードの一種ですが、ブラックカードの中でも卓越したサービスで羨望(せんぼう)のまなざしを向けられるのが、「アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード」です。
このカードは、ステータスカードの先例をつくってきたアメックスが、1999年にアメリカで発行を開始、日本には2002年に上陸しました。券面が黒色なので、ブラックカードと呼ばれています。かつてはゴールド(金色)がステータスの象徴でしたが、今はブラックが取って変わりつつあるようです。
インビテーションがないと申し込めない、完全招待制のカード
アメックス・センチュリオン・カードは、カードホルダーの多くが一度は持ちたい、使ってみたいと憧れるカードですが、このカードを手にすることができる人は、ほんの一握りに限られます。とにかくハードルが高いのです。なぜ持てないかというと、このカードは申込制ではなくて、アメックスが対象者を選ぶ「招待制」だからです。
そもそもアメックスのプロパーカードは色ごとに以下のように分かれています。
・ゴールド・カード(年会費3万1900円)
・プラチナ・カード(年会費14万3000円)
・センチュリオン・カード(年会費38万5000円)
「グリーン」と「ゴールド」に関しては申し込んで審査に通れば、持つことができます。「プラチナ」は今までは完全な招待制でしたが、申し込みが可能になりました。
では、「センチュリオン・カード」を持つにはどうすればよいのでしょうか?
このカードの審査基準は、一般にまったく公開されておらず、誰が選ばれるかわからない謎のカードです。持っている人の話などを総合すると、アメックスのプラチナカード保持者の中から、年間1500万円以上のカード利用をしなければならないといわれています。年収は平均すると、2000万~3000万円は必要なようですから、完全な富裕層向けカードといえます(利用額はもっと少なくて済む、という話もあります)。
さらに、年会費が38万5000円もしますから、運良く招待されても踏ん切りがつかない場合もあるでしょう。若いサラリーマンは、この年会費では、とても持てません。
しかし、実際にはそれでも持ちたいという人が大勢いるようです。それは何といってもアメックス・センチュリオン・カードの特典が、ほかのブラックカードと比べても群を抜けてすばらしいからです。
絶対王者、「センチュリオン」が提供する5つの豪華サービス
センチュリオン・カードの、出色といわれる特典を大きく分けると以下の5つです。1.実質利用限度額なし! 口座入金額まで使える
2.「NO」と言わない専任コンシェルジュ
3.スイートルーム、ファーストクラスへのランクアップ
4.細かいところまで対応。超充実の旅行保険
5.非日常を満喫できる体験イベント
それではそれぞれの特典について詳しく紹介していきましょう。
センチュリオンカードは利用限度額に上限がない、という話があります。実態は一律の上限はなく、各個人の年収や使用状況などによってそれぞれ定められているようです。さらに、引き落とし口座に事前に入金しておけば、その額までは自由に使えるそうです。このカードを持てる富裕層なら、多額のお金を口座に入金しているでしょうし、それが「レクサス、フェラーリですらもポンと買える」と、いわれるようになったゆえんでしょう。
アメックスのプラチナカードにもコンシェルジュはありますが、電話に出たスタッフがその場で担当となって、世話を焼いてくれるのが一般的です。しかし、アメックス・センチュリオン・カードの場合は、専任の担当者がいて、いつでも同じ人が対応してくれますから、話が早くなり、細かなことでも秘書のように、気付いてくれます。「NOと言わないサービス」といわれるゆえんです。専任の担当者が対応するのは日中の時間ですが、サービスは1年中24時間対応してくれます。
その結果、「専任」のコンシェルジュに頼めば、以下のような少々難しいことも可能になります。
【事例1】一見(いちげん)さんお断りの店や、予約が難しい高級レストランの手配が可能
【事例2】事前に調べるのが難しい、個室のある居酒屋の予約も容易に行ってくれる
【事例3】学会や大きなイベントが周辺で開催される場合でも、コンシェルジュを通せば、ホテルの予約も取りやすくなる(公式HPや旅行サイトで満室になっていても、アメックスが別途部屋を確保している場合があるのでしょう)
【事例4】出張のための航空チケットやホテルの手配
【事例5】夫婦の記念日を祝うためのレストラン予約や、特別な演出手配の代行(恋人同士の場合、洋画でよく見られるような、プロポーズのセッティングの依頼も受けてくれるそうです)
また、コンシェルジュに電話をするのではなく、最近では、インターネットから専用フォームで要望を送っておけば、各種手配もしてくれます。いちいち電話をする手間も省けて便利です。
アメックス・センチュリオン・カードの基本は、「T&E」(トラベル&エンタテインメント)です。つまり、これは、海外出張と海外旅行のときにホテルステイとエアラインに関して、快適な移動と休息を得られるようにとの願いから、あらゆるサービスは考えられています。そのため、このカードを持っていると、海外出張と海外旅行に関してはとくに強さを発揮するのです。
まず、一流ホテルとの提携をしており、上位ランクの部屋にあきがあれば、通常料金で、自動的にスイートルームにアップグレードしてくれます。というのも、有名ホテルの上級会員資格が入会と同時に付与されるからです。マリオット、リッツ・カールトンのゴールドエリート、ヒルトン・ホテルズ・ワールドワイドのダイヤモンド、シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツのジェイドなどと提携していますので、世界の主要都市のどこに行っても、最高級のホテルステイは保証されています。
たとえば、マリオット、リッツ・カールトンのゴールドエリートの会員になると、客室アップグレード・レイトチェックアウト・会員限定料金・滞在ごとに25%のボーナスポイントなど、多くの特典を受けることができます。私にとっては、レイトチェックアウトは、最も活用したい特典です。
飛行機でも、デルタ、USエアウェイズ、ヴァージン・アトランティックなどであれば、ファーストクラスがあいていれば自動的にアップグレードされます。
アメックスのプラチナ・カードでも海外旅行傷害保険は、死亡・後遺障害で最大1億円付くとされていますが、このアメックス・センチュリオン・カードがすごいのは、関連するほかの保険が目いっぱい付いてくることです。「傷害疾病治療費用」「賠償責任補償」などの一般的なものから、「航空機延滞保険」「手荷物紛失保険」「レンタカー保険」「ゴルフ保険」「スキー保険」など、さまざまな保険が付帯されています。
その結果、アメックス・センチュリオン・カードを持っていれば、海外旅行の付帯保険の限度額が自動付帯で数億円となり、わざわざ保険会社が用意する海外旅行保険に入らなくても十分にまかなえるほどになります。
家族会員にも、死亡後遺障害や傷害・疾病治療も付いています。また家族カードを持っていなくても、カード保有者本人と生計を共にする配偶者や親族は補償が付いている、とされています。
体験イベントについては、アメックスの担当部署が毎回趣向を凝らして印象深いイベントを作りあげています。スタッフ全員が会員のために一生記憶に残るものをつくろうと決めているのです。過去には、プラチナとセンチュリオンの会員を対象に、有名シェフを招いてフランス大使館でビュッフェディナーを開催したり、「料理の鉄人」で有名な放送作家の小山薫堂氏プロデュースのイベントを実施したりしたこともあったようです。
センチュリオン会員限定のものではありませんが、アメックスのホスピタリティが凝縮されていますので、アメックス会員を対象とした「白眉(はくび)」ともいえる体験イベントに参加した際の経験を少しお話いたします。
毎年秋になると、アメックスの会員を対象に、清水寺での夜間観覧が行われます。これはただ見たり聞いたりするだけでは十分ではないと、清水寺に関連の深い落語を差し挟むことで、寺院での体験をさらに深いものにしてくれました。
これは一般客がいなくなった夜間に、開放された清水の舞台を会員だけで独占するというイベントでした。当日はライトアップされた舞台が暗闇に明るく浮かび上がっていました。そこでクラシックが演奏されムードが盛り上がりました。
私が見たときには、清水寺の近くにある茶屋での出来事を描いた「はてなの茶碗」という落語を、有名落語家の桂米団治に演じてもらい、寺院観覧をさらにおもしろいものにする演出が行われました。
京都で一番の目利きといわれる骨とう屋が、その茶屋でお茶を飲んでいるとぬれてくるので、「はてな、ヒビが入っているのかな」とあちこち確認していると、それを見ていた行商人が、目利きの人があんなに熱心に見ているのでその茶碗はさぞ高くなるだろうと早合点して、無理やり手に入れようとする……。そこから始まるドタバタ劇がとても秀逸でした。
この話がおもしろくてたまらなかったので、落語を聞いた後に早くその茶屋に行って、自分もお茶を飲んでみたいと思いました。それで演奏会を早々に後にして、目当ての茶屋に行って普通の茶碗を「はてなの茶碗」に見立ててお茶を飲んでみました。主人公の行商人と骨とう屋のやり取りをイメージしながらお茶を飲むのが、おつな経験でした。落語と清水寺のストーリーが一緒になって、とても楽しい体験をすることができました。
何もしなければ、「見た、聞いた」だけの単なるイベントで終わるものが、演出を加えることで感動的なイベントに生まれ変わったのです。忘れられない思い出となった、まさに感動の体験イベントでした。
岩田 昭男
twitterで更新のお知らせをしています
新規の記事を更新時、Twitterでお届け。取材時のこぼれ話や日常生活のちょっとしたおトク情報などをもつぶやいております。この機会に岩田昭男をフォローしていただければと思います。