「キャッシュレスで得する! お金の新常識」~キャッシュレス促進のキモを知ってるかい?/岩田昭男
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キャッシュレス促進のキモを知ってるかい?
いつも行くカフェに電子マネーの読取機が置かれた。「やっと入ったか!」と嬉しくなった。なにせ、駅前で人通りも多いというのに20年間「カードお断り」でやってきた店だったからだ。こちらは8年前から、スイカを使っての完全キャッシュレス生活を実践しているのに、いつもこの店だけが「現金のみ」だったので、わざわざATMに寄って、千円下ろして支払いに充てたりした。その面倒さからもやっと解放された。
これはもちろん、2020年の東京オリンピックに向けてのもので、店はインバウンドでやってくる外国人旅行者の対策として入れているのだ。
とはいっても、日本のキャッシュレス比率は、世界で比較すれば、まだまだ遅れている。日本の比率は、18%ほどだが、米国は45%、中国は60%、韓国にいたっては89%という驚異的な数字が並んでおり、大きく引き離されている。そのため政府はキャッシュレス比率アップに躍起になっている。
■キャッシュレスを進める秘策は「CX」の積み重ねにあり
しかし、キャッシュレス化を進めるのは容易ではない。とくに日本では現金志向が強いからその壁は厚い。よくいわれるのは、CXを積み重ねるのが一番ということ。CXとは、Custumer Experienceの略であり、利用者が良い体験をすることの意味である。キャッシュレスのツール(クレジットカード、電子マネーなど)を使ってみて、これは凄く便利だ、お得だ、早いと実感させること、それを積み重ねるのがキャッシュレス実現の近道といわれている。効果的なのは、買い物をするのに、現金よりカードを使った方が断然得をするという経済的常識を作ること、それが普及すれば、短期間でキャッシュレス社会は実現するだろう。例えば、現金なら1000円で買えるものが、カードなら700円で済むとなったら、みながカードを使うようになり、あっというまにキャッシュレス社会は出現する。
政府が力を入れたいのであれば、防衛費ばかり増やすのではなく、買い物補填という形で予算を投入すれば、結構簡単に目標は達成できるだろう(カナダも現金で買うよりカードで買う方が得になる政策をとっている)。
個人でこれからのキャッシュレス対応を考えるなら、まず自分のCXを積むことが第一である。そして、それに適したツールの選ぶことだ。それにはこのムックのような本が一番適していると思う。その背景になっているキャッシュレス社会の歴史と現状について、今回の新書では、しっかりと書いている。
「私は、クレジットカードの研究を初めてから、かれこれ30年になる。その間のキャッシュとの戦いを描いた「キャッシュレスで得する! お金の新常識」(青春出版社)をだしたので、合わせて読んでいただくと、今後のキャッシュレスの動きが立体的に把握できて、参考になる。ぜひおすすめしたい。」
2018年6月23日
岩田昭男
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