あなたの街にもきっとやってくる!「Visaのタッチで乗車」がもたらすもの
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VISAカードをタッチして鉄道やバスに乗車する実証実験が盛んに行われています。ニュースで見かけた人も多いと思います。
すでに鉄道系ICを利用している人にとっては、“今さら感”があるかもしれませんが、クレカタッチが交通機関に普及していくと、今後どんなサービスが可能になるのでしょう。
世界利用されるVisaのタッチ
クレジットカードは決済端末に差し込むもの、と日本では考えられていますが、世界の主流はタッチ決済です。VISAカード決済(件数)のうち、タッチ決済が占める割合は約70%に上っています。海外では、ショッピング利用だけでなく、交通利用も盛んです。「上海」「北京」「ロンドン」「ニューヨーク」「パリ」「シンガポール」など、580を超える都市でタッチ決済による乗車が行われています。渡航先で体験済み!という人も多いでしょう。自国のカードで海外の交通機関が利用できれば、いらぬストレスからも開放されます。
海外に比べると日本はやや出遅れ気味ですが、2020年以降、鉄道、バス、舟運において、急ピッチでVisaのタッチによる実証実験が行われています。
「京急バス」「西武バス」「茨城交通」「横浜市交通局」「南海電鉄」「福岡市地下鉄」「JR九州」など、実証実験および導入実績は20道府県30事業者に及んでいます。(2020年7月~2022年7月)
2023年3月ごろまでには、Visa以外の国際ブランドへの拡大が予定されており、対象カードはますます広がります。
Visaのタッチ決済対応カードだけでも、国内で約7000万枚が発行済。あとはこれを活用していく段階に差し掛かっているのです。
出所:三井住友カード株式会社(stera transit シンポジウム2022 summer資料)
南海電鉄の取り組み
実際、各地の交通機関でどういった実証実験が行われているのか、南海電鉄における取り組みを見ていきたいと思います。南海電鉄は、大阪と和歌山方面を結ぶ鉄道会社。関西国際空港にも乗り入れています。コロナ前にはインバウンド需要で駅窓口が混雑していたこともあり、混雑緩和策としてVisaのタッチ利用による実証実験に踏み切りました。
出所:南海電気鉄道株式会社(stera transit シンポジウム2022 summer資料)
残念ながら新型コロナの影響でインバウンド需要に対する検証は継続中ですが、鉄道、フェリー、バスの乗り継ぎ割引運賃の有用性、システムの安定性が検証できたほか、各種割引プログラムの実施が利用者の増加や定着に寄与することも確認されました。
また、Visaのタッチ決済で乗車した人は、それ以降もカード利用件数が増加し、沿線施設の利用件数が高くなるなどの傾向が認識でき、鉄道と幅広い事業との連携への期待が高まるといった結果をもたらしました。
クレカタッチがもたらすもの
交通機関にクレカタッチ決済が導入することで、今後どういったことが可能になるのでしょう。事業者は、クレカタッチ特有のクラウドの利用履歴や後払いの利点を利用できるため、柔軟に運賃が設定できるほか、他サービスとの連携も可能になります。
南海電車と南海フェリーの乗り継ぎ割引を例にあげると、今まで利用者は930円の割引を受けるために事前にきっぷの購入が必要でしたが、Visaのタッチ決済であれば、きっぷはいらず、自動的に割引が適用されます。
出所:QUADRAC株式会社(stera transit シンポジウム2022 summer資料)
今回の開発にかかわった QUADRAC株式会社 によると、今後は
•上限運賃割引:例)1か月 2000 円まで利用したら、それ以降は無料。
•利用回数割引:例 10 回利用したら 11 回目は無料。
•事前登録型割引:例)事前にキャンペーンに登録した人だけ30% オフ。
•買い物や観光との連携機能:例 ) 2000 円買い物したら、行きと帰りの交通費は 50% オフ 等
などの新しい機能が実現可能になるといいます。
クレジットカードでも交通利用時に、乗車回数に応じた割引きや乗車と買い物でのセット割など、新しいタイプの優待は増えそうです。
すでに交通系ICを使っている人も、旅行や出張で見知らぬ土地に行ったときに使えるかもしれませんし、時には割引が適用されるかもしれません。
クレジットカードのタッチは、交通利用の新たな選択肢。もし、自分の街にやってきたら、一度体験してみてはいかがでしょう。
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