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2022年6月13日 ポイント・マイル

格安航空会社(LCC)、新興航空会社(MCC)の提携カードを使ったら、どんなお得がある?

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“安さがウリ”の格安航空会社(LCC)ではありますが、ANAやJALのマイルを使ったり、提携クレジットカードを利用したりすることで、もっとお得に航空チケットを手に入れることが可能です

そこで、LCCとANA/JALとの関係、提携カードの利用方法を一挙ご紹介! 今までANA、JALしか使ったことがない人も、気軽に飛行機を利用したいという人も、次の休暇は航空会社の垣根を越えて、お得に自由に空の旅を満喫してみてはいかがでしょう。

FSC、LCC、MCCで運賃はどう違う?

航空会社には、ANAやJALのようにあらゆるサービスを提供する「フルサービスキャリア」(FSC)、サービスをできる限り削ぎ落し極限のコストを追求する「ローコストキャリア」(LCC)、FSCとLCCの中間、サービスの質と低コストのバランスをはかる「ミドルコストキャリア」(MCC)があります。

MCCは、新興航空会社、中堅航空会社とも呼ばれているので、ここでは新興航空会社で統一します。

さて、実際にFSC、LCC、新興航空会社の運賃差はどれぐらいあるか気になるところ。「東京-大阪」「東京-福岡」を片道利用した場合を比較してみます。
(条件:搭乗日2022年7月1日、予約日 2022年6月10日、午前便の最安値)

LCCは羽田発ではなく成田発になりますが、かなりコストを意識していることがうかがえます。運賃は変動するので一概には言えませんが、ご覧の通り、LCC<新興航空会社<フルサービスキャリアの順に高くなっています。ただ、予約時期によっては、FSCと新興航空会社の運賃が逆転することもあるので、その点は要チェックです。
Peach Aviation
LCC
ジェットスター
LCC
スカイマーク
新興航空会社
JAL
FSC
東京-大阪
(午前便)
5990円
成田-関西
9280円
成田-関西
9970円
羽田-神戸
1万4310円
羽田-関西
東京-福岡
(午前便)
6490円
成田-福岡
7380円
成田-福岡
1万1980円
羽田-福岡
2万6880円
羽田-福岡
※サービス内容や手数料などが異なるほか、予約日によって運賃は変動するため、あくまでも目安とお考えください。利用前に必ず公式サイトにてご確認ください。

LCC、新興航空会社は2つの陣営にわかれている

さきほどLCCでは大手航空会社のマイルが使えると紹介しましたが、このように国内のLCC、新興航空会社はANAやJALから出資を受けています。すべてではありませんが、連携サービスが受けられます。
 株主 航空会社名 種別 出資比率
ANAホールディングス Peach Aviation LCC 77.9%
AirJapan
※2023年度下期に国際線就航
新興航空会社 100%
スターフライヤー 新興航空会社 17.96%
ソラシドエア 新興航空会社 17.03%
スカイマーク 新興航空会社 16.5%
AIRDO 新興航空会社 13.61%
日本航空 ジェットスター・ジャパン LCC 50%
ZIPAIR 新興航空会社 100%
スプリング・ジャパン LCC 66.7%
では、航空会社ごとのおすすめクレジットカードを紹介いたします。

LCCでお得なクレジットカード

LCCはコストを最重要視する航空会社です。自社のマイレージプログラムは持っていませんが、ANAやJALのコードシェア便の利用でANA、JALのマイルがもらえます(付与条件あり)。

また、提携クレジットカードも発行しており、カード会員になるとチケットの購入時に利用できるポイントが付与されたり、会員限定セールに参加できたり、何かとお得があります。

●Peach Aviation-「Peach CARD ベーシック」

 
2012年から就航。本社は大阪。ANAグループの一員で、コスト競争力で他社に打ち勝つことをビジョンの一つにあげるLCCです。拠点空港は、関西空港、新千歳空港、仙台空港、那覇空港、成田空港など。国内は33路線、海外はソウル、上海、香港、台北、バンコクなど17路線を運航しています。「Peach CARD」の利用でピーチポイントが貯まります。また、ANAとのコードシェア便を利用すれば、ANAのマイルが貯まります(ANA便名で予約・購入・搭乗した場合)。ANAのマイルはピーチポイントへ移行できます
 

■「Peach CARD」ベーシック
JCBブランド Visaブランド
年会費 初年度:無料
翌年度以降:無料
初年度:無料
翌年度以降:1375円
会員特典 ①入会特典:ピーチポイント1000円分
②会員限定セールに参加可能(年2回)
③年間100万円限度ショッピングガード保険(海外)
ピーチポイント
還元率
0.5%  0.5%
その他  海外傷害保険:最高2000万円
カードで決済すると、
[JCBブランド]は1000円→1P(Oki Dokiポイント)→5P(ピーチポイント)
[Visaブランド]は200円→1P(Vポイント)→1P(ピーチポイント)
に交換できます。

また手持ちのANAのマイルを「500マイル→450ピーチポイント」(450円相当)の移行も可能です。

貯まったピーチポイントは、1P=1円相当として、Peachの運賃や座席指定料金、手荷物料金などの料金に一部または全額充当できます。

通常、ピーチではクレジットカードを利用して運賃を支払うと640円の手数料が発生しますが、ピーチポイントで全額支払えば220円(=220P)の手数料で済み、420円節約できます。

ピーチポイント利用時の注意点は、有効期限が180日と短いこと。できれば、Oki DokiポイントやVポイント(いずれも有効期限2年間)で一旦保有しておき、旅行が決まってからピーチポイントに変えるのがおすすめです。

●ジェットスター・ジャパン-「ジェットスターカード」

 
ジェットスターグループは、オーストラリアの「ジェットスター航空」、シンガポールの「ジェットスター・アジア航空」、ベトナムの「ジェットスター・パシフィック航空」、日本の「ジェットスター・ジャパン」で構成されています。徹底したコストダウンを行い、日本、台湾、香港、フィリピン、オーストラリアなどをリーズナブルな料金で結んでいます。ジェットスター・ジャパンは、国内三大都市圏を拠点に運航。日本航空の子会社でもあり、ジェットスター・ジャパン(GK)便の予約時に「ちゃっかりPlus」または「しっかりMax」のオプションでJMBマイルを選択すれば、JALのマイルがもらえます。JALマイルジェットスター航空券などの支払いに使えるフライトバウチャーに交換できます。
 

■「ジェットスターカード」
 カード名称 ジェットスターカード
 年会費 980円
会員特典 ・国内旅行・ 海外旅行傷害保険付帯
・会員プログラムClub Jetstar(年会費3,980円)(※)を1年分お試しで利用可能
・機内販売「jetstar café」の各商品が10%割引
 ポイント還元率
※フライトバウチャーに交換時
0.8%
※Club Jetstarは、会員特別価格が適用、セールの先行予約・購入ができるほか、手荷物&座席指定料金が20%オフ(オンラインでの新規の予約)になるプログラム

ジェットスターカードを利用すると200円=1P(ジェットスターポイント)が貯まります。2000ポイントでClub Jetstar年会費(3980円)のClub Jetstarバウチャー、または、5000ポイントで8000円相当のフライトバウチャーと交換でき、ジェットスターの運賃、手荷物や座席指定等の料金に充当できます。

JALのマイルでもClub Jetstarバウチャー(2500マイル)、フライトバウチャー(1マイル=1円~1.5円)に交換できます。

ジェットスターポイントの有効期限は12ヶ月間。バウチャーの有効期間は6ヶ月と短めです。計画的に消費しましょう。

ジェットスターは、チケット予約時にクレジットカード払いすると620円以上の手数料がかかりますが、フライトバウチャー利用であれば、支払手数料はかからずお得です

新興航空会社でお得なクレジットカード

新興航空会社は、基本的に自社マイレージプログラムを持っており、フライトでマイルが貯まります。LCCより運賃はやや高めですが、クレジットカード払いでも支払手数料がかからない(コンタクトセンターなどで利用手数料が発生する場合はある)など、その分サービスが充実しています。

●スターフライヤー-「スターフライヤーカード」

 
2002年設立。福岡に本社を置く新興航空会社。北九州空港を拠点に東京(羽田)、大阪(関西)、福岡、山口宇部、6路線を就航。ANA HDの出資を受けています。企業理念は「感動のあるエアライン」で、最上級のホスピタリティの提供を目指した寛ぎの機内空間や厳選されたドリンクメニュー、おもてなしを提供。自社マイレージプログラム「STAR LINK」(年会費無料)に入会するとフライトでスターフライヤーのマイルが貯まるほか、「スターフライヤーカード」の利用でも同様にマイルが貯められます。ただし、他社とのマイル提携はありません。
 

■「スターフライヤーカード」
スターフライヤーカード(JCB) スターフライヤーカード(Visa)
年会費 初年度:無料
翌年度以降:1,375円(条件付き無料)
初年度:無料
翌年度以降:1,375円(条件付き無料)
会員特典 入会ボーナスマイル1000マイル
海外旅行傷害保険(最高2,000万)
マイル付与率 0.5% 0.5%
「スターフライヤーカード」を利用すると200円=1マイルが貯まります。貯まったマイルは片道4500マイルから特典航空券に交換できるほか、アイテムやクーポンへの交換も可能す。なお、マイルの有効期限は、翌々年の12月31日までです。
 

●ソラシドエア-「Solaseed Airカード」

 
1997年設立。宮崎に本社を置き、九州を拠点とする新興航空会社。ANA HDが出資。2022年10月をメドにAIRDO(エア・ドゥ、札幌市)との共同持ち株会社を設立予定。現在、東京(羽田)、名古屋、九州各地、沖縄などに就航しています。自社のマイレージサービス「ソラシド スマイルクラブ」(入会金/年会費無料)に入会すると区間マイルと運賃に応じて搭乗マイルが積算されるほか、「Solaseed Airカード」の利用でもソラシド のマイルが貯まります。ANAのマイルをソラシドのマイルに移行することはできません。
 

■「Solaseed Airカード」
Solaseed Airカード
年会費 初年度:無料
翌年度以降:1375円
会員特典 ①毎年継続時に500マイル進呈
②海外旅行傷害保険(最高2000万円)/国内旅行傷害保険(最高1000万円)、お買物安心保険(年間100万円)
③会員専用の割引運賃あり
マイル還元率 1%

「Solaseed Airカード」の利用で200円ごとに1P(Vポイント)が付与されます。1Vポイントは2マイルに移行可能。貯まったマイルで、片道5000マイルから特典航空券に交換できます。マイルの有効期限は翌月から起算して12か月後の月末です。
ANA HDの出資を受けていますが、残念ながらANAのマイルをソラシドのマイルに移行することはできません。

●AIRDO(エアドゥ)-「AIRDOカード」

 
1998年運航を開始。北海道に本社を置く新興航空会社。ANA HDの出資を受けています。北海道内の6都市から東京(羽田)、名古屋、仙台、神戸、福岡に就航。自社マイレージプログラム「My AIRDO」(入会金/年会費無料)に入会すると、搭乗時の運賃に応じて100円につき 1 ポイント貯まり、貯まったポイントで特典航空券との引換ができます。「AIRDOカード」の利用でも同様にAIRDOポイントが貯まります。ANAのマイルをAIRDOポイントに移行することはできません。
 

■AIRDOカード
カード名 AIRDO VISA クラシックカード
(Visa)
年会費 初年度:無料
翌年度以降:1760円
会員特典 カード入会で200P
AIRDOに搭乗で100P(年1回)
国内・海外傷害保険(最高2500万円)
ショッピング補償(年間100万円)
ポイント付与率 [AIRDOのWebサイトで決済] 約0.6%
150円につき1P(AIRDOポイント)※上限2000P
[AIRDOカードで日常の買い物] 0.025%
200円=1P(Vポイント)※Vポイント 20Pで=AIRDOポイント 1P
[My AIRDO搭乗ポイント] 1%
100円=1P(AIRDOポイント)
AIRDOポイントの仕組みをわかりやすく、シミュレーションしてみます。

カードに入会し、AIRDOのWebサイトで「東京⇔札幌」の往復チケット3万9600円分を2回購入すると1620P貯まります。これで「東京-札幌」の片道特典航空券がもらえます。つまり「東京⇔札幌」を2度往復すると片道がタダになります。(レギュラーシーズン:1600マイルの場合)

[AIRDOポイント 内訳]
●カード入会特典:200P
●AIRDOに搭乗で100P(年1回)
●AIRDOのWebサイトで決済:528P
●My AIRDO搭乗ポイント:792P

「AIRDO VISA クラシックカード」の決済でVポイントがもらえますが、AIRDOポイントへの交換は少し注意が必要です。

Vポイントは1P=1円相当、AIRDOポイントは1P=10円~12円相当の価値があります。「20P(Vポイント)→1P(AIRDOポイント)」で交換できますが、このレートではVポイントの価値が半分に薄まってしまいます。必要時にのみ交換するのがよさそうです。

●ZIPAIR(ジップエア)-「JALカード」

 
2020年設立。時代に適合したサービスクオリティとコストバリューを目指すJALグループの新興航空会社。現在、成田からソウル、バンコク、シンガポール、ホノルル、ロサンゼルスに就航しています。独自のマイレージプログラム「ZIPAIR Point Club」(年会費無料)に入会するとZIPAIR Pointが貯まり・使えるようになり、 入会特典として100Pがもらえます。JALのマイルをZIPAIRポイントに移行して使うこともできます。貯まったポイントはフライト予約やオプショナルサービスに利用できます。提携クレジットカードはありませんが、JALのマイルを移行できるのでJALカードがあると便利です。
 

JALカード
カード名 JALカード
年会費 2200円
※アメックスは6600円
会員特典 JALに搭乗時
●入会搭乗ボーナス:JALのマイル1000マイル
●毎年初回搭乗ボーナス:JALのマイル1000マイル
●フライトマイルの10%加算●海外旅行傷害保険:最高1000万円(自動付帯)
●国内旅行傷害保険:最高1000万円(自動付帯)
※AMEXはいずれも最高3000万円(1000万円自動付帯/2000万円利用付帯)
マイル付与 200円=1マイル
※「JALカードショッピングマイル・プレミアム」(別途 年会費3240円)の入会でマイル2倍(100円=1マイル)
JALマイルをZIPAIRポイントに交換するときのレートは、交換単位数によって異なります。

●1万マイル単位 – 1JALマイル ⇒ 1.5P(ZIPAIRポイント)
●1000マイル単位 – 1JALマイル ⇒ 1P(ZIPAIRポイント)

まとめ

LCCや新興航空会社はすでにリーズナブルな運賃を打ち出していますが、提携カードなどを使えばよりお得に利用することができます。

すでにANAやJALのマイルを持っている人も、いくつかの航空会社ではマイルを移行して使うことが可能。マイルの使い道はさらに広がるでしょう。

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