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2017年1月19日 O2O/スマホ

楽天Edyインタビュー
「Apple Pay」「Android Pay」の誕生で
2017年、スマホ決済はもっと身近になる!

 さまざまなインタネットサービスを展開するIT企業の雄「楽天」。2016年にはApple Pay(アップルペイ)、Android Pay(アンドロイドペイ)に対応し、モバイル決済の分野でも快進撃を続ける。特にAndroid Payにおいて、現時点で利用できるのは楽天Edyだけだ。
 今後はどういった決済サービス事業を展開していくのか、楽天Edy、取締役副社長の和田氏にお話しを伺った。

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巨人2社のスマホ決済に参加


岩田:2016年の10月からApple Payのサービスが始まり、カード業界が騒然としていますね。12月にはAndroid Payもサービスを開始しました。楽天さんは、Apple PayにもAndroid Payにも対応されているので大変ではないですか?

和田:はい。楽天カードがApple Pay、楽天EdyがAndroid Payに対応しております。アメリカでやっているものをそのまま持ってくればいいというものでもなく、新しい仕組みだったのでプロジェクト担当者は試行錯誤の連続だったと思います。

岩田:たしか、Apple Payでは楽天カードは最後のほうに加わっていましたよね? 

和田:はい、Apple Payのサービス開始日に正式な発表をさせていただきました。

スマホ決済の普及をバネに
より新しいユーザーに訴求したい


岩田:利用者目線からいうと、今までは還元率が高いとか、年会費が無料とかがアピールポイントでしたが、今後はApple Payで利用できる、Android Payで利用できる、という点もカード選びの大きな要因になってくると思うんですよね。Apple PayやAndroid Payで使えますよといえば、カードに関心を示さなかった人たちやスマートな決済方法を好む人たちにも訴求することができそうです。

和田:ただ、Apple PayやAndroid Payを実際に使っている人たちがどれぐらいいるのか、というとまだまだこれからだと思うんです。しかし、こういったアーリーアダプターと呼ばれる人たちの数は、とても興味があるところです。日本ではFeliCaを利用したタッチ&ペイというのは、おサイフケータイですでに経験済みです。ですから、ポストペイでクレジットカードをタッチして支払うことにも消費者はなれていると思いますし、いい方向に向かっているなと思っています。

岩田:個人的にはApple Payがサービスを開始したことで意外に早く“カードレス”時代が来るんじゃないか、という気がしています。カード会社は名前に“カード”ってついちゃっているから、今後どうなるんでしょうかね。

和田:プラスティックカードを刷る必要のない世界に突入するってことですよね。バーチャルプリペイドカードは今までもありましたが、番号だけ発行すればいいという世界になってくるかもしれません。今はプラスティックカードを発行してApple Payで読み込むという手順ですが、カードがApple Payから発行されるような形に変わっていく可能性もあるかもしれませんね。

岩田:Android Payで楽天Edyを利用しようとしたんですが、たとえ楽天Edyカードを持っていなくても楽天Edyが作れちゃうんですよね。これからカード発行は、こんな感じになるんでしょうね。これは便利!

和田:今回のAndroid Payでは、おサイフケータイの中にあるFeliCaの領域を使ってAndroid Payから発券するケースもありますし、楽天Edyのアプリがそもそも入っていれば発券済みという状態になります。一つの領域を両方が見るような形になっています。今まで楽天EdyアプリをダウンロードしてまでモバイルEdyを使おうとしなかった人たちも、OS標準のしくみで発券できるなら使ってみようかと、こういった新しいユーザーが増えることを期待しています。楽天Edyだけでなく、ほかの決済手段が増えたほうがよりユーザーに受け入れられるのかな、とも思っています。
和田 圭 楽天Edy株式会社 取締役副社長執行役)

和田 圭
楽天Edy株式会社
取締役副社長



AppleもアンドロイドもFeliCaを採用


岩田:Apple PayとAndroid Payの違いって、Apple PayはSuicaが中心でAndroid Payは楽天Edyが中心と考えるとわかりやすいですね。西の横綱がAppleでSuica、東の横綱がアンドロイドで楽天Edy。ところでグーグルとはどういう経緯で接触されたのですか? 御社の方から申し出たのですか?

和田:グーグルさんとは日本国内だけでなく、海外でも様々な形で取引があります。そのような中で、今回、日本でサービスを開始するにあたって、何か一緒にできないかという形で話が始まりました。

岩田:グーグルと話し始めたのは、いつ頃のことですか?

和田:具体的な期間については控えさせていただきますが、そんなに長い期間をかけてやってきたわけではありません。お互いITサービス会社ということもあって企業カルチャーも近いですし、トップ同士も知り合いなので交渉が進みやすいバックグラウンドはあると思います。

岩田:今回グーグルはFeliCaを採用してきました。わたしの想像ですが、本当はFeliCaでなく世界標準のType-A, Type-B方式を採用したかったけど、日本では普及してなかったからあきらめたのではないでしょうか。

和田:日本には、Type-A, Type-Bに対応する端末ネットワークがないですからね。私見ですが、そういうことでAppleもFeliCaに対応したんだと思います。誰かがType-A/Bのリーダーライターを置いて回るよりは、今あるFeliCaのしくみを使おうよということですよね。この二つの巨人がそう動いたことは画期的なことだと思います。ただ、今後2020年に向けてどうなっていくかちょっと予想はできませんが、タッチペイメントでやるとするとApple Pay、Android Payというソリューションがやはり最適でしょう。

岩田:今後、Type-A/Bに対応する決済端末を店舗に置いたり、「スマートプラス」を引っ張りだしてきたりするかもしれませんね。グーグルはApple Payをみて結構いけそうだというんでFeliCaにしたんですかね?

和田:どうなんでしょう。そもそも海外ではそれぞれサービスを開始していますし。Appleは実際には専用チップでなくFeliCaのソフトウェアを実装することを選んでだいぶ低いレイヤーから新たに作り上げた感じを受けます。一方のAndroid Payは、すでにあるおサイフケータイのプラットフォームを利用しています。どういった形にしろ、重要なことはどちらがコンシューマーを取り込めるかということですけど。

岩田:個人的な感想をいうと、私もモバイルSuicaを10年ぐらい使っていますが、おサイフケータイは操作が速くていいですね。取り込みもいらないし。Apple Payはカードを読み取らなければならないのでそれが面倒だという人たちが出てくるかもしれませんね。
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Edyは中立的な立場で機能を提供したい


岩田:そういう意味ではAndroid は技術的にはそれほど問題はなかったのでしょうか。

和田:そうですね。すでにおサイフケータイのプラットフォームの上で動いているEdyの決済機能だけを切り出して作りましたから。その際に、Edyの決済機能だけをアプリに提供できるSDK(ソフトウェアデベロップメントキット)を開発しました。ここが一番苦労したところです。いわばAndroid Payのソフトウェアの中にEdyの部品を組み込むといった感じですね。組み込む作業はグーグルさんにやっていただきました。

岩田:いかに楽天EdyをAndroid Payで動かすか、ということですね。

和田:はい。提供するうえでどういう形で実装するかグーグルさんとお話した結果そういう結論にはなったんですけど。ただ、今回作ったSDKはグーグルさんだけでなくほかにも提供する可能性はあります。Android Payは、グーグルアカウントを持っていてそこにクレジットカードを登録しているような人たち向けの決済です。もちろんAndroid Payは大きなユーザーベースをもっていますが、われわれからするとほかのパートナーに対しても提供していきたいと思っています。アプリ展開をしたいところに対してEdy機能を提供していこうかなと。

岩田:グーグルに提供するだけじゃないということですね。

和田:はい。ある程度中立的な立場でオープンに電子マネー決済を提供していきたいと考えています。

岩田:特に楽天グループは決済手段をいっぱい持っていますからね。

和田:はい。クレジットカード決済もありますし、銀行決済もありますし、電子マネーもあります。しかも、競合する電子マネー各社さんと比べるとわれわれIT企業出身ですのでアプリが内製できます。社内のエンジニアが携わるのでスピードとかクオリティとかは競合他社さんに比べて差別化が図れるところかなと思っています。

岩田:その中でAndroid Payはどういった位置づけですか?

和田:われわれは楽天ペイというモバイル決済手段を持っています。これは楽天会員向けのアプリを使った決済サービスで、QRコードを読み取ったり、ユーザーが直接支払金額を入力して決済できるもので、アリペイとかWeChatペイとかに近いものです。今回のAndroid Payはグーグル会員の決済手段だと認識していまして、楽天ペイはわれわれ楽天の決済手段。どちらに対してもEdy機能を提供するという形でやっていきたいと思っています。Android Payでは、グーグル会員がグーグルアカウントに登録したクレジットカードからチャージができる形のEdy機能を提供していますし、もちろん楽天ペイにも提供しようとしています。まだ楽天ペイには組み込まれていないですけど。

岩田:なるほどEdyはそういった中立的な位置づけなのですね。
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Android Payではポイントも使いやすい


岩田:Android Payでは楽天スーパーポイントは使えますか?

和田:楽天ポイントカードも一緒に組み込まれているので、手軽に使えます。

岩田:店ではどうやってポイントを使えばいいんですか?

和田:事前に登録したバーコードを表示して「ポイントで支払います」「ポイントをためます」と言えば、従来のプラスティックカードを見せるのと同じように利用できます。

岩田:Android Payでクレジットカードは登録できましたっけ?

和田:現時点ではクレジットカードは登録できないようです。今後は分かりませんが、最初のリリースの時点では楽天Edyと楽天ポイントカードだけとのことです。

岩田:でも最初は、三菱UFJフィナンシャル・グループと連携するとか言ってませんでしたっけ?

和田:他社さんの動きはわからないですね。ただ、FeliCaのリーダーライターを用いてクレジットカード決済するのだとするとApple PayのようにiDかQPのネットワークを使うしかない気がします。そういうことをグーグルさんがやろうとしているのか、Type-A/Bを待つのか、はたまた全然違う形なのか、われわれにはわからないです。

Android Payはライトユーザー向け


岩田:Androidですでにおサイフケータイを利用している人もいると思います。中にはおサイフケータイの方がいいんじゃないかっていう人もいるようですが……。

和田:Android Payよりもですか?

岩田:Android Payの機能だけでは充分じゃないという意見もあがっているようですが。たしか「オートチャージ」や「Edyギフトの受け取り」はできませんよね?

和田:先ほど申し上げた通り、楽天Edyは中立的なマネーといった位置づけなのでAndroid Pay経由で使っていただいても、おサイフケータイで使っていただいも構いません。
われわれとしては加盟店網でいかに使っていただけるのかということが重要ですので、そこはユーザーさんに決めていただくことと思っています。仮にウォレットが今後普及するのであれば一元管理するのがいいかもしれないし、カードを個別で管理するというのであればスマホアプリかなという理解です。今後は、世の中の変化しだいですね。スマホを結構使っている人でもアプリを入れるのが面倒くさいという人もいますよね。標準のものだけで十分という人もいらっしゃると思うんで。

岩田:そこ、すごく大きいですよね。

和田:今後もっとそうなるかもしれないですね。

岩田:Android Payはどういった人の利用を想定されますか?

和田:アプリを入れてモバイルで楽天Edyを使うほどではないユーザーさんでも、OS標準のAndroid Payなら手軽に使える、と思って利用してもらうことを期待しています。ですから、比較的ライトユーザー向けといえるでしょう。アンドロイドのおサイフケータイを使うと当然ながらグーグルアカウントの設定が必要ですから、なんらかのタイミングでクレジットカードをグーグルアカウントに登録している人がいる。そういう人たちにAndroid Payを利用して決済を提供しようという戦略だと思うんですけど、われわれはOS標準の仕組みで楽天Edyを使ってくれる人が増えるといいなと思っています。

岩田:全く新しいユーザーを狙っているということですね。

和田:そうですね。すでにモバイル楽天Edyを使っている人にとっては、Android Payの方がシンプルですけど機能的にプラスがあるわけではありません。ですから、モバイル楽天EdyからAndroid Payにスイッチする理由はあまりないと思っています。

岩田:新規ユーザーを見込んでいるなら、同時に加盟店を拡大する動きもあるのですか?

和田:とりあえず、それぞれの加盟店さんでの決済の量が増えるところまでいけばいいな、と思っています。とはいえ、ユーザーが増えてモバイルで支払う人が増えれば、より多くの店舗がカードレスの仕組みに移行すると思いますが。

岩田:ちょっと気になるんですけど、楽天EdyはApple Payでは展開しないんですか?

和田:それはどうなんでしょうかね。現状では交通系だけに提供していますが、よりオープンな決済プラットフォームになっていくんだとすればSuica以外にも対応する可能性はありますが、現時点では何も決まっていません。

岩田:なんかすごいですもんね。Suicaへの片思いが(笑)。

和田:街での決済より“電車”っていうのが大きいですよね。

岩田:必ず必要ですからね。
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楽天Edyの累計発行枚数は現在1億枚


岩田:現在は、楽天Edyのユーザーはどれぐらいいらっしゃるのですか?

和田:今までEdyとして発行してきた数で、モバイルを含めると累計で1億枚。正確には2017年1月1日現在、1億130万枚です。

岩田:Android Payでどれぐらい増加すると思われますか。

和田:内部的にグーグルさんとこれぐらいを目標にしたいですねという話しはしていますが、公表はしておりません。もちろん、増えることは期待しています。

岩田:楽天Edyの加盟店はどれぐらいですか?

和田:こちらも2017年1月1日現在で47万6千店。

岩田:加盟店数の目標はありますか?

和田:こちらもちょっと…、計画はありますけど。これは「鶏が先か、卵が先か」だと思うんですけど。ユーザーが増えないと、加盟店も増えないですし、加盟店が増えればユーザーも増える。加盟店営業とユーザーへの施策、この両輪でやっているという感じです。

楽天Edyの発券で400円分プレゼント!


岩田:Android Payに関して何かキャンペーンは行われていますか?

和田:2016年12月13日から2017年1月31日までは新規ユーザー向けに、新規でAndroid Payから楽天Edyを設定した方にEdy400円分をプレゼントするというキャンペーンを開始しております。

岩田:実は私もAndroid Payで発券しました。いいですよね400円!。

和田:発券してすぐに400円入っているというのは、ユーザーさんからも好評でして。

岩田:私もすぐマクドナルドで使いました。Android Payを設定する時にチャージが面倒だなあと思っていたら、400円入っていたからすごくうれしかったですよ。

和田:そうですか。今回それを狙っていました。設定したらすぐ入っている状態にしようということで。何か受け取るというより、最初から入っているほうが便利だろうと思いました。こういった施策を含め、いろいろやりながら新しいユーザーを増やしていきたいと思っています。

岩田:今日はとても貴重なお話をありがとうございました。

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