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2013年4月17日 海外渡航者/安心・安全

渡米が決まったら、クレジットカードはどうする!?

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海外で戸惑うことの一つに決済方法の違いがあります。日本では約90%が現金払いと言われていますが、米国やヨーロッパでは、クレジットカードやデビットカード、チェックの利用率は50%以上を占めます。とりわけ米国でクレジットカードが利用される背景には、個人の信用力を高めその恩恵を享受したいという理由もあるようです。
米国においてクレジットカード利用で得られるメリットとは何か……。現地で日本人向けの情報を発信しているエディターSさんの話を交えながら、米国におけるクレジットカード事情を探ってみました。

■クレジット・スコアで個人が格付けされている

個人信用力は日常生活にも影響を与える。

個人信用力は日常生活にも影響を与える。


クレジットカードを利用すると、個人の支払いに関するデータが記録されます。いくらの買い物をして、どんな債務があり、どのように返済したかなどの履歴、いわゆるクレジットヒストリーが残ります。こういったクレジットヒストリーは、信用情報機関であるEquifax(エクイファクス)、Experian(エクスペリアン)、Trans Union(トランスユニオン)に集められ、クレジット・スコアというものが算出され、個人の信用力が数値化されます。クレジット・スコアにはいろいろありますが、最も知名度が高いのは、大手システム会社フェアアイザック社が開発したFICOスコア。300点から850点までの範囲で格付けが行われます。FICOスコアの全米平均は690点~700点ぐらいと言われ、725点以上あると良好とされています。

クレジット・スコアは、本人に提供されるだけでなく、銀行やクレジットカード会社、住宅ローン会社などの金融事業者はもちろん、不動産、携帯電話会社、電力会社などにも提供され、商取引の際の判断材料としても利用されます。

■クレジット・スコアがいいと経済的恩恵もあり!
成績表を作られているような居心地の悪さを感じる人もいるかもしれませんが、クレジット・スコアは借りたものを期日までに返せる能力を表したものと言えます。

日ごろからマネー管理を徹底し、クレジット・スコアへの意識を高めておきましょう。と言うのも、クレジット・スコアが良ければ、条件の良いクレジットカードへ入会できたり、低金利のローンが組めたり、保険料が安くなったり、レンタルが簡単にできたりと、経済的な恩恵が受けられるからです。また、就職のときにも、雇用主からの信頼が得らたりと有利な条件に恵まれます。一方、クレジット・スコアが悪いとこれとは逆に、好条件のクレジットカードに入会できなかったり、就職ができなかったり、ローンが組めなかったり、金利が高く設定されたりと、不利な状況に陥ってしまいます。

これほど米国においてクレジット・スコアは重要な役割を担っていますが、あまり日本では知られていません。その点、注意する必要があるでしょう。とくに、これから渡米する人は、米国でのクレジットヒストリーがないため、クレジット・スコアを高くするどころか、まずはカードが作れないという問題に直面してしまいます。とくに留学しようという人、また、商社マンのように長期滞在を強いられる人には大きな問題です。

■クレジットヒストリーがない人が米国でカードを持つには
米国社会では信用の証しとなる

米国社会では信用の証しとなる


日本でクレジットカードを利用していた人でも、米国発行のクレジットカードでなければ、米国でのクレジットヒストリーは作れません。(ブランドによっては日本での利用履歴が記録されている場合もある)。クレジットヒストリーがないと、米国でクレジットカードの発行を求めることは困難です。

しかし、そんな人のために発行されているカードがあります。「私の周辺では、多くの人が『ANA CARD U.S.A.』、『JAL USA CARD』(※)をまず作っています」(Sさん)。

これらは渡米する人を対象としたクレジットカードで、渡米90日~60日前から日本で申し込むことができます。このカードを利用すれば、米国の銀行口座からの自動引落しができるうえ、クレジットヒストリーもきちんと蓄積されます。「これでクレジットヒストリーをためてから、別のカードを申し込む人が多いですね」(Sさん)

このカードのほかには、セキュアド・クレジット・カード(Secured Credit Card)と呼ばれるクレジットカードを作って、クレジットヒストリーを磨くといった方法もあります。
セキュアド・クレジット・カードを作るためには、500ドル程度のデポジットを要求されますが、担保があると作りやすくなっています。まずはこのカードを利用して、クレジットヒストリーを蓄積し、のちのち有利な条件のクレジットカードにアップグレードするという方法も用いられています。

「リーマンショック以降、金融機関の経営悪化もあり、クレジット・スコアの重要度は増しているように感じます」(Sさん)。アメリカで生活するうえでクレジットカードはとても必要なツール。クレジットカードを作ったら、債務はきちんと果たし、クレジットヒストリーを大いに磨き、個人の信用力をあげることは快適な米国生活を送る上でとても大切なことと言えそうです。

※いずれもFirst National Bank of Omaha発行。
年会費は『ANA CARD U.S.A.』70ドル、『JAL USA CARD』20ドル~70ドル
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※制作当時の内容に基づき掲載していますが、すべてを確約するものではありません。正確な情報はカード会社の公式サイトにてご確認ください

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